◇25年内に検討支援業務入札公告
大阪府は南部流域下水道事務所で下水道施設の維持管理・更新を包括的に民間事業者へ委託する「ウオーターPPP」の導入に乗り出す。府の下水道事業としては初の試みで、全国的に広がる官民連携手法の先行モデルとなる。検討支援業務を年内に入札公告し、2025~26年度の2カ年で事業スキームを固める。北部・東部両流域事務所への展開も見据える。
案件名は「大和川下流流域下水道外ウオーターPPP発注等支援業務(R7-1)」。事業範囲やスケジュール、公募要領を検討する。対象地は松原市天美西7ほか。発注方法は一般競争入札(実績申告型)。履行期間は22カ月。
南部流域事務所は大和川下流域の下水道事業と、泉州地域を中心とする南大阪湾岸流域下水道事業、同下水汚泥処理事業を担当している。所管施設は水みらいセンター6カ所、雨水ポンプ場1カ所、汚水中継ポンプ場7カ所、幹線管渠239キロ、大阪南下水汚泥広域処理場、送泥管・送泥ポンプ場7カ所など。
府の下水道事業での維持管理・更新の包括委託では東部流域事務所で老朽管路を対象とした「管路包括管理業務委託(仕様発注型)」の導入事例があるが、性能発注を取り入れるウオーターPPPと比べ、事業者の柔軟な創意工夫や効率化提案の反映が難しいといった点が異なる。
国土交通省は自治体で技術系職員や関連予算の確保が課題となる中、下水道の持続的運営を目的に、官民連携を活用した維持管理・更新一体マネジメントの普及を進めている。23年度には「ウオーターPPPガイドライン」を策定し、長期契約(原則10年)や性能発注の導入を柱に、31年度までに下水道・水道を合わせて200件の導入を目指している。









