国交省/グリーンインフラ加速へ/建設ライフサイクル全体で脱炭素化推進

2025年10月29日 行政・団体 [2面]

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 国土交通省は、グリーンインフラの取り組みに一段と力を注ぐ。2050年カーボンニュートラル(CN)の実現に向け、建設時から維持管理・運用までを通じたライフサイクル全体で脱炭素を推し進める。建設機械の二酸化炭素(CO2)排出量削減や、道路照明のLED化、道路関係車両の電動化、低炭素アスファルトの活用などを具体策に挙げる。
 国交省は、24日公表した次期社会資本整備重点計画の素案で、「グリーン社会の実現」を重点目標の一つに掲げた。主な施策として▽流域治水におけるグリーンインフラの活用推進▽グリーンインフラの活用促進に向けた官民の意識の醸成▽再生可能エネルギーの供給拡大▽ライフサイクル全体での脱炭素化▽流域治水におけるグリーンインフラの活用推進▽水辺・緑地や良好な生態系の保全・再生・活用等▽グリーンインフラの活用促進に向けた官民の意識の醸成▽建設リサイクルの高度化▽下水道資源の有効利用▽資源循環ネットワークの強化-の9項目を提示した。
 重要業績指標(KPI)や、おおむね30年度までを達成期限とする数値目標も設定。道路、空港、ダムなど多様なインフラ施設を最大限活用し、再生可能エネルギー供給の拡大を図る方向を示した。
 道路空間への太陽光発電設備導入、ハイブリッドダムでの治水容量・発電容量の柔軟な運用を目指す。港湾分野では、資源に活用できる廃棄物を広域的に取り扱う拠点港湾「循環経済拠点港湾(サーキュラーエコノミーポート)」の選定数を22港以上へと拡大する。
 電気自動車(EV)の普及促進に向けた充電施設の整備も強化する。道路照明のLED化率は100%を目標に掲げ、下水汚泥資源の肥料利用率は現行の15%を30%に引き上げる方針を示した。