中部地方整備局天竜川上流河川事務所は25日、大鹿村塩川床固め工群の完成式、鹿塩川渓流保全工の着工式を大鹿村交流センター(長野県大鹿村)で開いた。國友優国土交通省水管理・国土保全局砂防部長や森本輝中部整備局長、新田恭士副知事、熊谷英俊村長、地元関係者ら約100人が出席。事業の進展を祝うとともに、今後の工事の推進を祈念した。
國友部長はあいさつで「伊那地域では過去から土砂災害が多く、砂防事業に取り組んできた。塩川床固め工群と鹿塩川渓流保全工は、地域の命や暮らし、なりわいを守る重要な施設だ。今後も事業の着実な推進のため協力してほしい」と話した。熊谷村長は「塩川、鹿塩川は美しい渓相を持つ清流で生活に恩恵をもたらす一方、豪雨災害の歴史もある。施工に尽力いただいた関係者に感謝する。今後も地域の理解と協力を得ながら事業が進むことを期待する」と語った。
式典では来賓による祝辞に続き、事業報告などを実施。その後、塩川床固め工群で植樹式、魚の放流も行われた。
塩川床固め工群は、塩川と鹿塩川の合流点の流下能力の確保や異常洗掘などの解決、流域環境の保全が目的。概要は、渓流保全工延長820メートル、床固め工8基。2011年度に着工し、24年度に完成した。ワークショップなどで地域住民の意見を取り入れ、景観保全など親しみやすい砂防施設を整備した。
鹿塩川渓流保全工は、損傷・摩耗した砂防施設の改築と河床の安定、洪水の安全な流下、流れの連続性確保による水生生物の生息環境改善、環境と調和した景観の創出などが目的。渓流保全工延長2280メートル、床固め工11基、帯工39基。
伊那谷地域は1961年の三六災害で甚大な被害を受けた。河川整備などで地域の安全確保を進めている。









