能登半島地震で被災したインフラの復旧・復興事業が今後本格化する石川県珠洲市を対象に、国土交通省は発注工事の不調・不落や設計成果の不整合といった災害復旧期に特有の課題に対応した入札契約方式の導入を後押しする。複数施設の一括発注やCM(コンストラクションマネジメント)方式の導入を想定。復旧の優先順位の高い施設から2026年度に一括発注のモデル工事に取りかかる。
 入札契約制度上の課題を抱える地方自治体を支援する「入札契約改善推進事業」の25年度の対象自治体の一つとして珠洲市を選定。6月から民間の建設コンサルタントを派遣する形で支援に当たっている。
 珠洲市では主要道路や上下水道の復旧工事の最盛期を26~27年度に控える。26年度には工事発注が集中する見込みだが、先行する河川の復旧工事で入札不調が増加しつつあり、担い手不足の顕在化が懸念されている。復旧対象のインフラが道路や河川、上下水道、港湾と多岐にわたるため、個々の設計成果の整合性を確保し、手戻りなく円滑に事業を進めることも重要だ。
 担い手不足に起因する課題には一括発注や不調・不落対策のメニュー化で対応する。まずは市全域でインフラ分野別に復旧の優先順位が高い地区や路線を抽出し、モデル工事を選定。これをベースに、民間側の技術シーズの調査も踏まえ具体的な発注ロットを検討する。国交省側でシーズ調査や設計図書の作成も支援し、26年度の発注に備える。
 同時並行する複数事業の設計成果を調整する仕組みとしてCM方式を活用する方向で検討する。設計段階で事業間を調整する役割だけでなく、全体の事業計画の進捗状況の管理などもCM業務の対象とする。一括発注の優先順位付けのため自治体内の部署間の調整にも当たる。
        










 
					 
					 
					 
					 
					 
					 
					 
					 
					