原油から精製されるガソリンはかつてナフサと呼ばれ、使い道がなく廃棄物扱いされていた時代があった。これが自動車の開発で有用な燃料になると分かり、19世紀末にガソリンの名称で売り出されたという▼その呼称は国によって異なり、例えば英国でペトロール、ドイツでベンツィーン。米国ではガソリンを略してガスと呼ぶ。燃料が無くなることを意味するガス欠の語源らしい▼日本で現在、物価高対策の一つとして注目されているのが、2009年度から用途を限定しない一般財源となったガソリン暫定税率の廃止。高市早苗首相が先月24日の所信表明演説で、今国会中に廃止法の成立を目指すと表明した▼軽油引取税の暫定税率とともに廃止となる場合、国と地方を合わせて年間約1・5兆円の税収減が見込まれている。自治体からは地方財政に及ぶ影響を十分配慮するよう求める声が強い▼財源不足に悩む自治体にとって、暫定税率廃止への懸念は大きく、どのような代替税源措置が講じられるのかも焦点に。高市内閣に対する期待感から支持率は確かに高いが、「力強い経済成長」の実現に向けた難しい政策協議が続く。
        










