西松建設と五洋建設、KDDIスマートドローン(東京都千代田区、博野雅文社長)は、地下トンネルの工事で構築する立坑の出来形を高精度で測量する技術を確立した。現場内に常設した自動充電ポート付きのドローンで遠隔から3D測量を実施。GNSS(全球測位衛星システム)の信号が届きにくい立坑深部の施工箇所でも、面的誤差が20ミリ程度にとどまる高精度な出来形のデータ取得に成功した。
5日に発表した。東京都町田市の地下トンネル工事現場にある立坑で実証を続けている。西松建設によると、立坑連壁内面の出来形測量は機器を活用し、作業員2人1組で約2時間かけて実施していた。夜間に行うケースも多い。従来の測量機器は測量範囲が「面」ではなく「点」にとどまり、立坑が深くなるほど精度の確保が難しかった。昇降や高所での作業で安全対策コストもかさむ。
3社は自動充電ポート付きドローンによる遠隔3D測量を取り入れ、立坑内での危険作業を大幅に減らした。測量時間は周期的な自動飛行で約15分に短縮。作業人員も1人で可能になった。
立坑の掘削が進むとGNSSの信号が完全に遮断されるようになる。GNSSに頼らず自立飛行できるドローンの可能性とともに、高精度な測量が可能かどうかなども検証していく。










