高知県内建設業/給与や賞与引き上げ/就職希望者のニーズ対応

2025年11月7日 行政・団体 [11面]

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 高知県内の建設会社が社員の待遇改善に力を入れている。新技術やICT機器を積極的に導入し生産性を高め、賃上げや労働時間短縮などの成果につながっている。少子高齢化とともに人材獲得競争は一段と激しさを増している。学生が就職先に求める要素のトップに給与や賞与が高いとの調査結果がある中、各社は採用数の確保とともに、どうすれば新人が定着するか知恵を絞っている。
 「高知県建設業活性化プラン」(2024~27年度)の最新の取り組み状況が明らかになった。トータルステーションを導入した会社は作業を効率化し従業員の残業が減少。パート従業員を正規雇用に転換した。4~5年前から月給社員の給与を毎年5%程度アップし、日給月給社員にはボーナスの支給を始めた。
 ICT建機を導入した別の社は給与を3~5%程度上げ、完工高を反映しボーナスを増額した。現場管理手当を新設し、22年から現場代理人に月額2万円を支給している。2年連続で新卒採用を達成した社は年間休日数を109日から117日に増やした。24、25年度と2年連続のベースアップにも踏み切った。日給月給制の従業員を月給制に移行した社もある。
 高知県政策企画課が実施した「2024年度就職・進学の希望地等意識調査」によると、土木・建築系技術職への就職希望者が就職先に求めるものとして、1位に「給与や賞与が高い」が入った。2位は「経営が安定している」、3位は「休暇が取りやすい」だった。
 建設業者側が若者の定着に必要と考える要素は「経営が安定している(十分な給与や安定した雇用)」が最上位にあり、両者の目線は一致していると言える。県は高知県建設業協会(國藤浩史会長)などと連携して新4K(給料・希望・休暇・かっこいい)に近づく建設業の魅力を引き続きPRしていく。