岐阜県多治見市/新庁舎基本設計案/市民が主役の施設目指す

2025年11月10日 工事・計画 [7面]

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 岐阜県多治見市は7日、市役所新庁舎の基本設計案を公表した。「『市民が主役』人とまちをつなぎ、にぎわいを発信する新庁舎」を目指し、広場に面した1階は多世代が交流する多目的空間「市民リビング(仮称)」の整備などを盛り込んだ。概算建設費は73億7000万円(税込み)を見込む。2026年度に実施設計を完了し27年度に着工、29年度の完成を予定する。基本・実施設計は安井建築設計事務所が担当。
 新庁舎の規模はS造5階建て塔屋1階延べ8070平方メートル(接続通路含む)。基礎免震構造を採用する。場所は音羽町1の227ほか。敷地面積は9577平方メートル。既存の駅北庁舎とJR多治見駅の間に位置し、各施設と接続通路でつながる。東側は、美しい景観を持つ憩いの場「虎渓用水広場」に接する。
 同広場との接点にはゆとりある幅員の歩行者空間「えんがわモール」を整備。雨にぬれない快適な動線を確保する。1階の市民リビングは多世代が交流できる空間とし、子育て世代のための親子ひろばも設ける。2~4階に執務室が入り、4階に特別会議室(災害対策本部室)を備える。5階は議場や委員会室になる。
 2~5階には、効果的な自然採光や通風に貢献する吹き抜け空間「エコボイド」を設置。高断熱化や高効率機器導入など省エネルギーに注力し、年間1次消費エネルギーを50%以上削減する「ZEB Ready」相当の庁舎を目指す。非常用発電設備など、災害対策拠点としての機能も確保する。
 外観は、東側は屋内外の一体感を感じられる透明感のあるデザインにし、西側は焼き物素材のルーバーを設置することで多治見らしさを体現する。