建設業福祉共済団(茂木繁理事長)が新設した保険金区分を、厚生労働省と国土交通省が認可した。年間完成工事高契約の最高補償額に当たる保険金区分で6000万円と7000万円を新設。建設労働者の賃金が上昇し、5000万円以上の示談金の支払いも急増している。6000万円や7000万円が頻発している状況を踏まえ、区分新設を申請していた。施行日は2026年4月1日。新保険区分は同4月以降の開始契約が対象になる。
新保険区分の認可日は厚労省が10月22日、国交省で同30日。契約更新時に保険金区分を引き上げる場合、完工高60億円で保険金区分を5000万円から7000万円に増額すると、掛け金が1・4倍になる。
14~23年度の10年で、福祉共済団が契約者に支払った保険金(年間約70件)を対象に、示談金の実態を調査したところ、被災者への支払いが5000万円以上のケースが54件あった。契約者が自己負担した最高額は20年度の1億3769万円。1億1700万円、8200万円、7000万円、6000万円(2件)、5850万円、5500万円と続く。5000万円以上の負担が11件あり、請負・下請間で5000万円以上を負担したケースも9件に上った。
示談金の水準は大幅に上昇しており、労働災害上乗せ補償の最高額が7200万円に設定されている他団体の例と比較しても、現行の5000万円は補償が不足している。
28年の加入見通しについて、茂木理事長は仮説的試算として「現在5000万円加入が約1000社あるが、将来的には700社程度に減少し、6000万円加入は488社、7000万円加入は336社となる」とした。増収効果は抑制的試算で約1億1500万円、強気試算で約3億5000万円を見込む。










