国交省/労務費ダンピング対策徹底を/11月17日から監理課長会議

2025年11月14日 行政・団体 [1面]

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 ◇都道府県に直接働き掛け
 国土交通省は12月に控える改正建設業法・公共工事入札契約適正化法(入契法)の全面施行に合わせ、公共工事で適正な労務費を行き渡らせるためのダンピング対策の徹底を地方自治体に働き掛ける。改正法で労務費を明示した入札金額内訳書の提出が義務化され、公共発注者の対応として「労務費ダンピング調査」の導入を含めた書類内容の確認が求められることを、都道府県経由で周知する。17日の中部地区を皮切りに全国8ブロックで開く2025年度下期「ブロック監理課長等会議」(入札契約担当課長会議)で主要な議題にする。
 国交省は、過度な事務負担などを懸念し低入札価格調査制度の導入をためらう小規模な市町村にも労務費ダンピング調査の運用を促す。労務費ダンピング調査は、落札候補者の入札金額内訳書のうち直接工事費の水準を確認する簡易的な仕組みとする方向。国のガイドラインで示す基準をベースに直接工事費の多寡を判断し、基準を下回る理由が正当でなければ建設Gメンに通報する流れとなり、発注者側の負担は最小限で済むとみられる。
 既存の低入調査と最低制限価格調査は、自治体によって適用対象工事が一定の発注金額以上などに限定されているケースがある。発注額が小さいため実質的にダンピング対策が実施されないような工事をできるだけ少なくなるよう働き掛けていくことにも重点を置く考えだ。低入調査の適用対象を広げるのが難しい場合、労務費ダンピング調査をより広範囲で実施しカバーする方法も提案する。
 ブロック監理課長等会議では、改正法に基づく対応と、▽技能労働者の処遇改善▽公共工事の円滑な施工確保▽地域建設業の振興と担い手確保▽公共発注体制の強化ーの四つを議題に国交省が話題提供し意見交換する。
 日程は次の通り。
 ▽17日=中部(開催地・静岡市)▽18日=北海道・東北(仙台市)▽19日=四国(高松市)▽20日=近畿(大阪市)▽21日=九州・沖縄(長崎市)▽同=関東甲信(さいたま市)▽25日=中国(広島市)▽26日=北陸(金沢市)。