各地でクマによる被害が相次ぐ中、東北地方整備局は管内で実施している対策をまとめた事例集を作成した。全国の地方整備局で初の取り組み。熊鈴やスプレーといった既存対策に加え、新技術の活用など各現場の創意工夫を紹介。同局ホームページなどで周知し、各自治体や建設会社の参考にしてもらう。
事例集では、位置情報サービスを活用してクマ出没ポイントに近付く場合に警戒音で警告する「クマよけアプリ」などを記載。赤外線センサーカメラを搭載したドローンによる出現場所の把握なども解説している。
さらに▽クマに特化した安全教育▽スプレー噴射訓練▽デジタルサイネージによる注意喚起▽電気柵の設置▽ラジオ携帯▽電子ホイッスル▽センサーで感知し音声や光で威嚇する獣害防除機器の設置▽大音量スピーカーや低周波音スピーカーの設置▽火薬銃の常備▽ロケット花火活用▽クマよけアプリ活用▽獣よけ線香の携行▽忌避剤(オオカミの尿)使用▽監視カメラの設置-といった対策も説明し、事前の備えを呼び掛けている。
東北整備局は対策の費用について協議の上、積み上げで計上する考え。
東北整備局管内では7月に福島県会津若松市で履行していた環境調査業務中に調査員がクマに襲われる被害が発生した。同局の担当者は「全国的に出没の頻度が増えている。事故が起こる前に対策することが重要だ。好事例をすべての受発注者で共有し、安全な現場をつくっていきたい」と話している。









