登戸駅前地区再開発(川崎市多摩区)/26年2月にも着工、29年9月竣工へ/組合

2025年11月14日 工事・計画 [5面]

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 JR・小田急登戸駅の南側(川崎市多摩区)で超高層複合ビルの建設を計画する登戸駅前地区市街地再開発組合が2026年2月の着工を目指している。権利変換計画の認可を市に申請。竣工は29年9月を計画する。延べ約6・5万平方メートルの商業、住宅、子育て支援施設などを備えた複合施設を建設。資材価格や人件費の上昇、高止まりを受け、工事費は24年11月の事業計画決定時点から約27%増の453億3200万円になる見通しだ。参加組合員として東急不動産と小田急不動産、東急の3社が参画している。
 計画地は登戸90街区の一部(敷地面積5950平方メートル)。建物はRC造地下1階地上38階建て延べ6万4695平方メートルの規模を予定する。高さは約139メートルで低層部に商業施設が入る。2階レベルに広場を設け歩行者デッキで登戸駅と接続する。子育て支援機能も入る。中層より上階は住戸(総戸数442)になる。
 地上部に防災拠点として活用できる広場を設ける。エレベーターホールを大規模災害時の一時滞在スペースとして提供するなど、地域防災力の強化に力を入れる。防災センターは浸水想定レベルより高い2階部分に設置する。観光支援機能として民間が整備・運営する地域観光資源の発信施設「NOBORITO INFO-HUB」の設置も予定している。
 当初計画に比べ27・1%増加した工事費の内訳は、建築工事費233億8900万円(21・8%増)、電気設備工事費47億8300万円(44・9%増)、機械設備工事費81億3900万円(30・8%増)など。市は工事費の上昇は公共積算を採用した工事費と同程度で適正と判断。事業を後押しするため、今後も再開発補助金など必要な予算を計上するとしている。