2040年代を見据えた東京・港区の将来像を検討してきたタウンフォーラムが、災害に強く犯罪被害のない「未来の防災・危機管理都市」を目指すべきだとの検討結果をまとめた。マンションをはじめとする全ての建物の不燃・老朽化対策を推進。緊急車両が通行できる道路も確保する。最新技術も積極的に活用する。フォーラムは港区の在住・在勤者で構成。14日に報告会を区内で開いた。
区はこれまで分かれていた区政の基本構想と基本・実施計画を統合し、26年度に新たな総合計画「MINATOビジョン」を策定する。ビジョンは27年4月に始動。区民らによるタウンフォーラムは基本構想に当たる部分を協議してきた。
防災・危機管理分野では建物の不燃・老朽化対策に取り組み、災害時に自宅避難できる体制を構築する。ペットと過ごせる避難所を設けるなど、多様なニーズに対応する。防災・防犯情報が全ての人に迅速・正確に届く体制も整える。
まちづくり分野では東京タワーや歴史的に価値のある建築物を残しつつ、多くの企業が立地するなど多様で先進性のある街の姿を描いた。美しく洗練された街並みも実現する。
街中では最先端のモビリティによる移動が当たり前になる。防災や防犯、環境保全など、あらゆる面から持続可能な生活を支えるインフラも整備する。街全体をバリアフリー化し、年齢などに関係なく誰もが安心して過ごせる街を目指す。
環境面にも力を入れる。エネルギーステーションを街中に構築し、電気・水素自動車の普及を促進。街の発展と自然保全のバランスを考慮し「自然と共生する都市」を創出する。
今後は学識者で構成する会議や区役所内の委員会で検討を重ね、26年夏ごろ「MINATOビジョン」の素案を策定する。
「MINATOビジョン・タウンフォーラム報告会」を14日に芝浦港南区民センターで開いた。防災・危機管理分野やまちづくり、福祉・保健などの将来像を発表。参加した清家愛区長は「港区が進むべき方向が明確になってきた。報告を基に引き続きMINATOビジョンの策定を進めたい」と述べた。









