全国知事会/学校施設環境改善交付金/国に予算確保を緊急提言

2025年11月17日 行政・団体 [4面]

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 市区町村による学校改築・改修費の一部を国が補助する2025年度の「学校施設環境改善交付金」に関して、全国知事会が確実な予算確保などを求める緊急提言を行った。同年度は採択保留になる事業が依然多く、計画的な施設整備に支障が生じているという。25年度同交付金の当初予算額は24年度に比べ約115億円減っていた。
 緊急提言は14日に全国知事会子ども・子育て政策推進本部長の熊谷俊人千葉県知事が、文部科学省の福田かおる政務官に行った。
 学校施設環境改善交付金は、災害発生時に避難所としての役割も果たす公立学校施設の安全性を確保するため、改築や補強、大規模改造などの事業に対し国が一部費用を市区町村に交付する制度。市区町村の申請を都道府県が取りまとめて国に提出する。
 提言では25年度に地方自治体が計画している全ての改修・改築を確実に行えるよう、迅速な追加採択を要望。補正予算の確保も必要だとした。26年度当初予算でも十分な金額を充てるべきだとした。
 千葉県では学校施設環境改善交付金の2次内定時(6月20日時点)で県内自治体が行う35事業が不採択だった。仙台市の4月時点の採択数は例年の半分以下。建設会社からは先行きを不安視する声が上がっていた。
 文科省は26年度予算の概算要求で、学校施設環境改善交付金を1384億円(25年度予算62億円)とし、大幅に増額している。
 全国知事会は、教員の負担軽減や専門性向上などを目的にした「教育支援体制整備事業補助金」に対しても提言。26年度当初予算で十分な予算確保や、地方自治体への採択・内定の通知を早期に行うことなどを求めた。