大成建設は、浮体式洋上風力発電設備に活用するコンクリート製セミサブ型浮体式基礎「OO-STAR」の基本設計承認(AiP)を、日本海事協会(菅勇人会長)から取得した。15メガワット級の風車に対応可能な浮体式基礎。AiP取得で今後事業の拡大が見込まれる浮体式洋上風力発電の本格導入に貢献する。
OO-STARはセンターシャフトと三つのコーナーカラムで構成する。セミサブ型浮体を多点システムで係留する。合成繊維索のセミトート係留を採用している。浮体式基礎の主材料にコンクリートを使い材料の安定供給、地産地消による地域経済への貢献、ライフサイクル全体での二酸化炭素(CO2)排出量の削減などにつなげる。
基礎の製作に造船ドックを必要とせず、一定規模のヤードで製作できる。他のセミサブ型浮体式基礎と比べ、カラム天端のブレスなどの細かい補強部材がないシンプルな構造で、作りやすい特徴もある。
同社はAiP取得と並行し、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「浮体式洋上風力発電の導入促進に資する次世代技術の開発」に参画。コストダウンなどを目的とした設計技術の開発や年間25基以上の製造を可能にする急速量産技術の開発に取り組んでいる。
今後は政府が掲げる浮体式洋上風力発電の導入目標達成に向け、コンクリート製浮体に関する技術開発を加速。関係機関との連携による体制整備とサプライチェーン(供給網)の構築に取り組む。浮体式洋上風力発電を通じカーボンニュートラル(CN)社会の実現に貢献する。







