電子楽器メーカーのローランドが浜松市浜名区で建設を進めていた新本社「Roland Inspiration Hub」が竣工した。既存建物2棟と新設する建物2棟をロの字形に一体化し、中央に大屋根を架けてアトリウムを創出。研究開発の中核拠点として、世界に向けて新しい音楽体験を発信するためのイノベーションを生み出す。2026年3月2日のグランドオープンを予定している。
基本設計をMOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO、実施設計・監理・施工を東洋建設、PM(プロジェクトマネジメント)をレンドリース・ジャパンが担当。11月27日に現地で竣工式が行われ、新本社の完成を祝った。
神事後の直会では、ローランドの蓑輪雅弘社長兼最高経営責任者(CEO)から新本社建設事業に携わった各社の代表者に感謝状が贈られた。蓑輪社長兼CEOは「社員同士のつながりが深まり、互いに刺激し合える場所とし、イノベーションが次々に生まれる拠点を目指して新本社を建設した。既存の建物をつないでアリーナを創出するという新本社の設計、施工には困難が伴い、皆さまの尽力、協力によって素晴らしい空間が完成したことに心から感謝している」と謝辞を述べた。
東洋建設の平田浩美代表取締役兼副社長執行役員建築事業本部長は「当社が(新本社建設事業に)参画してちょうど2年を経て無事故無災害で建物を引き渡せたのも、多くの方々の協力と指導のおかげだ。今後の点検業務についても引き続き責任を持ってやらせていただく」と述べた。
新本社の所在地は浜名区新都田1の6の4。建物規模はS造3階建て延べ2万0038平方メートル。総投資額は約75億円。
中央アトリウム部を取り囲む明るく開放的な「ローランド・サーキット」は社員のコミュニケーションと創造性を高める空間と位置付ける。中央部の「ローランド・アリーナ」(約500平方メートル)を社員やコミュニティーの多様なアイデアを自由に実現できるパフォーマンス・スペースとし、同日の直会ではローランド社員、建設事業の関係者らによる演奏が行われた。
「ワン・ローランド」を推進する同社はグランドオープンまでに複数の事業所に分散していた研究開発部門を新本社に集約、約600人が働くことになる。






