大林組/トンネル・ダム現場用火薬類をスマート管理/デジタル帳票で作成時間75%減

2025年12月10日 技術・商品 [3面]

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 大林組は、山岳トンネルやダムの建設現場で使う火薬類のデジタル帳票を開発した。ソフトウエア開発を手掛けるMetaMoJi(東京都港区、浮川和宣社長)と共同開発した施工管理アプリ「eYACHO(イーヤチョウ)」を活用。従来は紙に手書きで対応していた帳票作成の時間を75%削減した。火薬使用量などのデータを施工管理に活用できるため、火薬類を扱う新規現場で標準導入していく。
 施工管理アプリを基盤に、19種類の火薬類管理帳票をデジタル化した。帳票の書式は日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)が定める「火薬類管理自主基準」に基づいており、従来の紙帳票から違和感なく移行できるようにした。
 基本入力フォームに記入するだけで、チェック済みデータが各帳票に転記される仕組み。帳票作成者の利便性を向上し、技術者・技能者の作業負担を軽減する。これらの機能によって帳票作成時間を75%削減し、各帳票への転記ミスや計算ミスといったヒューマンエラーも防ぐ。
 入力データはクラウド上で管理され、リアルタイムに承認・閲覧できるようにした。紙での持ち運びも不要になり、関係者間の情報共有を効率化する。セキュリティーやトレーサビリティー(追跡可能性)の機能も向上し、法律で規定された保存期間に対応し適切なデータ管理を実現する。
 大林組はデジタル帳票を3現場で試行し、生産性向上の効果を確認した。今後、火薬類を用いる新規現場に標準導入する。国土交通省がi-Construction2・0で掲げるデジタル・ペーパーレス化に貢献する。