建築家・六鹿正治氏/AIA名誉フェローを授与/これからも社会と建築界に一層貢献

2025年12月12日 論説・コラム [18面]

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 建築家の六鹿正治氏が米国建築家協会(AIA)から2025年名誉フェロー会員の称号を授与された。個人の業績だけでなく、建築界や社会の発展に貢献した会員に与えられる称号で、AIAの受章理由によると六鹿氏は「日本の建築家たちの意識を持続可能性へさらに向ける努力をし、建築家、市民、行政、国際的パートナーたちと積極的に関係を構築しつつ、気候変動対策という喫緊の共有課題への取り組みに貢献した」ことが高く評価された。
 AIAは1857年に設立され、現在約10万人の会員を擁する。会員の最高ランクに位置付けられるのがフェロー会員。特に傑出した業績を挙げ、建築界や社会への貢献を国際レベルで成し遂げた外国人には名誉フェローの称号を授与している。
 六鹿氏は日本設計の社長、会長を歴任し、これまでに環境や保存再生を強く意識した多くの建築設計と大規模複合再開発に携わってきた。2016年6月~22年6月に日本建築家協会(JIA)会長を務めた。SDGs(持続可能な開発目標)やカーボンニュートラルなどに建築家が取り組み、社会課題の解決へリーダーシップを発揮するための活動に注力。アジア建築家評議会(ARCASIA、アルカシア)やAIAをはじめとした国際的な建築団体の活動にも積極的に参加してきた。18年にはアルカジア東京大会の開催も実現した。
 今回の称号受章について六鹿氏は「大変に名誉なことで、建築家としての業績やこれまでの活動を評価していただき感謝している。これからも社会と建築界に一層貢献することが期待された称号であり、引き続き日本の建築家が世界でもっとプレゼンスを発揮できるための活動などに取り組んでいきたい」と話した。
 六鹿氏の受章を祝う会が11月29日に東京・六本木の東京倶楽部で開かれ、親交のある友人・知人約50人が出席。長年にわたる六鹿氏の功績をたたえた。
 25年AIA名誉フェローには、日本から六鹿氏以外に石上純也氏も選ばれた。

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