清水建設/材料噴射型3Dプリンティングシステム構築/鉄筋入り大型部材も可能に

2025年12月26日 技術・商品 [3面]

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 清水建設は、鉄筋を組み込んだ大型曲面コンクリートを施工できる「材料噴射型3Dプリンティングシステム」を構築した。九つの自由度を持つガントリーロボットに、噴射後の材料挙動を事前に検証できる噴射シミュレーターを組み合わせた。材料押出型の3Dプリンティングでは困難だった鉄筋入り構造部材や、複雑な形状を持つ大型部材を高精度で自動造形できる。
 システムを構成する噴射シミュレーターは、米カーネギーメロン大学機械工学科の嶋田憲司教授が主宰する計算工学・ロボティクス研究室(CERLAB)と共同開発した。噴射シミュレーターで最適なノズル経路や噴射距離・角度・速度、材料吐出量などを導き出し、プリンティング制御のパラメーターを設定する。これにより、プリンティングの高精度化と不良率の最小化を図る。
 プリンティングに使うガントリーロボットは、門型フレーム上部に配置したXY方向(2軸)の移動機構に、七つの自由度を持つロボットアームをつり下げるように接続している。
 造形範囲は奥行き6メートル、幅4メートル、高さ3メートル。アーム先端のノズルから多方向に広範囲へ材料を噴射し、配筋の内側までコンクリートを充填する。実証試験では、下層と上層が中心部から張り出したねじれ形状の曲面壁(高さ2・5メートル)を、4時間で造形できた。
 今後は、建設3Dプリンティングのさらに高度化する技術開発を推進。コンクリート施工の完全自動化を目指す。