竹中工務店ら/AI・IoTで鳥類など自動識別/緑地の第三者認証取得支援

2026年1月28日 技術・商品 [3面]

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 竹中工務店がAIの画像処理技術とIoTを活用した「生物自動モニタリングシステム」を開発した。人工の水盤とカメラを組み合わせモニタリングを自動化。対象エリアに生息する鳥類などの生物を可視化する。TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の普及で高まる緑地の第三者認証取得のニーズに対応。デベロッパーなどの建築主を想定し、認証申請時に必要になる生物のデータを自動蓄積して認証取得・維持を支援する。
 システムは「いきものアイ」として、北海道大学との共同研究で開発した。実証では兵庫県川西市の同社清和台研修所で鳥類48種類、東京都千代田区の大手町ホトリア広場で同14種を確認した。28~30日に東京都江東区の東京ビッグサイトで開催される「グリーンインフラ産業展2026」に実機を展示する。
 水場に集まる野生動物の習性と特性を利用し、通年・24時間連続で自動撮影した映像をAIで画像処理し、鳥類の種類を特定・記録する。IoTも活用して高精度に識別。水盤を利用する生物を検知して即座に動画配信できる。目視で確認が難しいさまざまな鳥類の映像は、環境教育での活用も想定している。現時点で42種類の鳥類観測に対応。年内には鳥類60種類、哺乳類15種類に拡大する予定だ。
 景観がほぼ変わらない緑地であれば、一つの水盤とカメラで約1万平方メートルの範囲まで鳥類が観測できる見通し。緑地の第三者認証取得は商業施設やマンションなどの開発で、不動産価値を高める手法としても期待されている。デベロッパーなどの建築主から認証取得の支援要請があるという。
 従来の専門家による目視点検では観測期間が年数日程度に限定され、対象生物の出現タイミングと調査時期が必ずしも一致せずコストも高額になりやすい。今回開発したシステムで膨大に蓄積されたデータから確実な実態情報を提供し、緑地の第三者認証取得・維持を支援する。同社はメーカーの意向も踏まえ、年内に5件程度の事業展開を目指している。