清水建設/超高層ビルの建て替え、1年以上工期短縮/仮設杭や土工などが不要に

2026年2月10日 技術・商品 [3面]

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 清水建設は、超高層ビルの建て替え工事で大幅な工期短縮と環境負荷低減を両立する工法を開発した。既存ビルの地下構造体を再設計し、改築工事の仮設として活用する。新たな仮設杭や土工事、地下水流入対策が不要になる。東京・内幸町で施工している高さ227メートル、地上46階建てのビル工事で1年以上の工期短縮を見込む。他の超高層ビルの建て替え計画にも積極的に提案していく。
 新工法「Re-GENUS BASE(リジェナス・ベース)」は、直接基礎で建設した超高層ビルの改築工事を効率化する。東京都千代田区で進む「内幸町一丁目街区南地区再開発事業」(代表施行者・中央日本土地建物)として施工中の再開発ビル(S・SRC一部CFT造、地下3階地上46階建て、延べ28万5854平方メートル)に初適用した。工期は2029年3月までで、工事の進捗率は約20%となっている。
 清水建設によると、超高層ビル建て替えの地下工事では、一般的に逆打ち工法を採用する。既存ビルの地上階を解体した後、改築部分1階の床を構築し、地上階と地下階の躯体を同時に施工する。ただし、新築柱を支持する仮設の杭基礎が必要となるため、杭打ち機や生コンクリート車が走行する作業床の整備など、大規模な仮設工事を伴う。
 新工法は既存の地下構造体を再設計し、外壁や床、梁を山留めとして活用する。底盤(ピット部)も最大限に用い、杭基礎を不要とした。杭基礎の代わりに、既存底盤の上部に構築するコンクリート層の上に基礎をスポットで築き、改築柱を支持する。これにより、底盤に杭基礎施工用の開口を設ける解体作業や、杭打ち機が走行する作業床の構築、地下水流入を防止して作業床を支持するための既存地下階の埋め戻しなどが不要になる。従来比で約2割、13カ月の工期短縮を実現した。
 初適用した内幸町の工事では、二酸化炭素(CO2)排出量を約9000トン削減し、建設汚泥の発生をゼロにした。担当者は「自社で設計・施工を手掛ける超高層ビル建て替えプロジェクトに積極的に提案していく。地盤が強固であれば、今回適用した建物を上回る超高層ビルの建て替えにも対応できる」としている。