国土交通省は、直轄土木工事で取り組む建設機械による自動施工の普及に向け、実現場での活用事例などをまとめたガイドラインを年度内にも作成する。市場にある汎用(はんよう)的な自動化建機を活用した簡易に導入方法を周知。地域を基盤とする中小規模の建設会社を対象に活用を促す。自動施工の導入現場は大規模なダム工事だけでなく、河川や道路の工事やCランク企業が受注する工事にも広がっている。活用事例のバリエーションも増えている。
直轄工事での自動施工の実績は、2024年度に4件(ダム工事3件、砂防工事1件)だったのが25年度に11件(ダム工事1件、河川工事6件、道路工事3件、海岸工事1件、2月時点の実施予定を含む)に拡大している。今までは大手ゼネコンが手掛けることがほとんどだったが、25年度は半分以上の7件がCランク企業の受注工事となる。公共工事で幅広く自動施工を実施可能にする環境整備の一環で、当面はガイドラインのような形で基準類の整備に取り組む意向だ。
国交省は、複数工程が連携した全自動施工だけでなく、ダンプによる運搬や、バックホウによる積み込みといった要素技術に絞って自動施工を実装する手法も後押ししている。独自の自動化システムを開発しなくても、一般的なシステムを用いることを前提にして導入のハードルを下げる。汎用的な自動化建機を「自動施工モジュール」と位置付け、既存の施工計画に組み込むことで実装を促す。
現場の土砂運搬を行うクローラーダンプなどは単純作業のため自動化に比較的適している。中小建設会社が手掛けた事例ではダンプ運搬だけを自動化し、複雑な動作があるバックホウの積み込みを遠隔操作することで両方の作業を連動させた。土砂積み込み作業を基本的に自動化しつつ、一部の難しい作業だけを遠隔施工に切り替えて行った事例もある。市販の自動化システムの開発が進展し、現場に合わせてカスタマイズして導入することも容易になってきており、中小建設会社の導入機運を高める。






