国土交通省と国連開発計画(UNDP)が、ウクライナのインフラ復興分野で連携を深める。コベルコ建機とソリトンシステムズが提供する建設機械の遠隔操作ソリューションを活用し、軍事侵攻で発生した大量のがれきを安全に処理する。女性や傷痍(しょうい)軍人らが安全に作業できる環境を整え、ウクライナの復興を支援する。都内で11日、協力趣意書の署名式=写真=を開き、今後の具体的な取り組みを説明した。
コベルコ建機は10月、遠隔操作システム「K-DIVE」を活用し、がれきを処理する。コックピットは同国の首都キーウに設置する予定。現地オペレーターの育成と稼働検証を通じて、将来的な事業展開に備える。現地販売代理店によるサポート体制も検討する。
ソリトンシステムズは、建機に後付けして使用する超短遅延の映像・制御伝送装置「Zao(ザオー)」を提供する。2026年には、復興現場で既存のLTE回線を使ってバックホウの遠隔操縦を実証。現地オペレーターの訓練や運用手順の確立、安全管理や耐妨害性の検証を進める。将来的には日本国土開発、八千代エンジニヤリングと共に、がれきを再生資源として再利用することも視野に入れている。
調印式にオンラインで参加したUNDPウクライナ事務所のアウケ・ルーツマ常駐代表は、「戦争で生じたがれきの撤去や選別の約6割が、日本の支援によって実現した。日本の先進的な遠隔操作技術とがれき撤去技術は希望をもたらし、ウクライナの長期的な復興努力を支援してくれる」と述べた。
国交省の川村謙一官房海外プロジェクト審議官は、「インフラ復旧・復興需要の急増や人手不足などの課題に対し、日本の遠隔施工技術を活用している。引き続き官民で連携し、日本の技術と知見を生かしながら、ウクライナの復旧・復興に貢献する」と強調した。
来賓として出席した在日ウクライナ大使館のユーリ・ルトヴィノフ駐日ウクライナ特命全権大使は、「遠隔操作技術は、退役軍人の社会復帰を支援するものとして重要だ。ウクライナと日本の協力は現場で具体的な成果をもたらし、より強靱で安全なウクライナの再建に大きく貢献すると確信している」と力を込めた。
調印式では、コベルコ建機、ソリトンシステムズとUNDPとの間で協力覚書が交わされたことも報告された。








