政府は首都直下地震対策の新たな減災目標を定めた。今後10年間の取り組みにより、想定される死者数約1万8000人と建築物の全壊・焼失棟数約40万棟をそれぞれ半数以下に減らす。2015年に策定した「首都直下地震緊急対策推進基本計画」を約10年ぶりに改定した。26年度内に予定する防災庁の設置も見据え、事前防災の取り組みを強力に推進する。
12日、閣議後会見した赤間二郎防災担当相は「減災目標を達成するためにはさまざまな主体が一体になって対策を進めていくことが肝心だ」と話した。閣議では各省庁に対して、地方公共団体や所管業界と連携して対策を着実に進めるよう伝えたという。防災庁は各省庁への勧告権を持つ。勧告権に基づき毎年各省庁を対象に、KPI(重要業績指標)の進捗把握・課題共有を実施する予定。初年度の進捗は27年度初頭の公表を想定している。フォローアップの結果、取り組みが進んでいない場合などは改善を求めていく方針だ。
首都直下地震緊急対策区域を対象とした具体目標を従来の47項目から189項目に拡充した。新たに設定した目標は、二拠点居住やテレワークの推進を目的とした特定居住促進計画の策定、ホテル・旅館を避難所として活用する際のマニュアル整備の加速化など。
緊急に実施すべき主な対策に、道路・鉄道・港湾・空港などのインフラ施設の強靱化を挙げている。上下水道施設、駅・高架橋、緊急輸送道路上にある橋梁などの耐震化を促進。緊急輸送道路の無電柱化整備も進める。
住宅の耐震化にも取り組む。35年度までに、耐震性が不十分な住宅のおおむね解消を目指す。30年度までに、著しく危険な密集市街地を解消する目標を掲げた。
災害発生後、廃棄物をより迅速に処理するため、竣工・稼働後25年以上経過した施設のうち緊急性が認められる施設の整備・更新を促進する。国土強靱化施策とも連携し取り組みを加速する。改定は25年12月に公表された新たな被害想定と対策の方向性を踏まえた。防災庁の設置も見据え、進捗管理の強化で目標達成の確実性を高める方針だ。








