国交省/次期技術基本計画固める/直轄率先導入で予算措置検討、試行費負担し実装加速

2026年3月11日 行政・団体 [1面]

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 国土交通省は、2026年度から5年間の次期「国交省技術基本計画」を固めた。多様な組織が協働・共存する「イノベーション・エコシステム」の確立を核に据え、▽研究開発の強化▽社会実装の加速化▽人材育成・確保--の三つの柱で施策を具体化する。国交省が率先して新技術を導入する姿勢を強調。試行段階で生じる追加的コストを国が負担するため、新たな予算措置も念頭に置く。直轄現場などで技術の有効性を実証し、その成果を社会的な信頼形成と市場拡大に生かしていく。
 10日に開いた社会資本整備審議会(社整審、国交相の諮問機関)・交通政策審議会(交政審、同)の技術分科会技術部会で次期計画案を提示した。有識者の意見を聴取する最後の機会となり、年度替わり前後に策定し、公表する。
 社会実装の加速に向け、国が率先して新技術を導入し、実証結果を踏まえて既存の制度・基準を常時見直す。現場の負担に依存することなく安定的に技術導入を進めるための、予算面での裏付けが課題となる。公共事業のBIM/CIMやICT施工の実施費用を含む国交省の科学技術予算はここ数年右肩上がりで、26年度は6000億円超(25年度補正予算分含む)になる見込み。この流れを引き継ぎ、開発・実装を一層後押しする新たな予算の枠組みを、次期計画の期間中に検討する。
 先駆的な技術開発を支援する「建設技術研究開発助成制度」は、26年度分の公募から助成額の上限を年2000万円と倍増した。実証段階の支援に当たる「SBIRフェーズ3基金事業(中小企業イノベーション創出推進事業)」は27年度までの時限措置で、後継事業の具体化が当面の課題となる。
 次期計画では、技術開発の全体像を一元的に発信するプラットフォームの構築にも重点を置く。社会課題や現場のニーズをリスト化して公開し、国交省の各部局が展開する技術開発・実証の支援制度を一体的に整理する。データベースへの登録や基準類への反映などの出口戦略も体系化する。専門分野を超えた連携を促す仕組みとし、多様な主体の共創につなげる。