国交省/公共建築工事の積算基準改定/一般管理費等率引き上げ

2026年3月12日 行政・団体 [1面]

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 国土交通省は、公共建築工事に関する国の統一基準となる積算基準類を改定した。受注企業の本社経費の実態を踏まえ、一般管理費等率を10年ぶりに見直した。従来は建築工事と電気設備工事、機械・昇降機設備工事の三つに分けて設定していた率を、いずれも引き上げる形で一本化した。直接工事費に含まれる「専門工事業者等の諸経費」の率も10年ぶりに改定。労務費とそれ以外に分けて全工種共通の率を設定する方法に刷新した。改定内容は4月以降に入札手続きを開始する直轄営繕工事に適用する。
 一般管理費等率は工事原価に対し9・34~20・11%を新たに適用する。工事規模が小さくなるほど高い率を用いる仕組みで、300万円以下は20・11%、30億円以上は9・34%で一定となる。予定価格上昇への寄与度は工事種別や工事規模で異なるが、上昇率は最小で0・8%増、最大2・9%増となる。工事原価1億円の建築工事で予定価格を約150万円押し上げる効果がある。
 専門工事業者等の諸経費は、下請の現場管理費や一般管理費に当たる。直轄土木工事の積算基準では現場管理費などに含まれる部分で計上方法が異なる。従来は労務費や材料費、消耗材料費などの総額に乗じる率を工種ごとに細分化して設定していた。改定後は全工種共通で労務費に乗じる率を42~52%、それ以外の材料費などに乗じる率を9~13%として運用する。
 法定福利費の事業主負担分などの「雇用に伴う必要経費」が発注者の積算で確保されていることを明確にする狙いがある。従来も労務主体の工種では労務費だけを対象に下請経費の率を設定していたが、20~30%程度としている工種が多かった。計上額の変動の程度は工種ごとに異なるが、多くは上昇するとみられる。
 改正建設業法に基づき運用を開始した「労務費に関する基準(標準労務費)」と連動し、昨年12月に新たに導入した「単位施工単価」の採用工種は拡大する。歩掛かり調査の進展状況を踏まえ「絶縁ケーブル」を市場単価から切り替える。鉄筋(ガス圧接を含む)と型枠に続き3工種目となる。
 採用工種では、公共工事設計労務単価に歩掛かりを乗じて労務費を算定するなどの積み上げ式の積算に変わる。代表的な規格・仕様の歩掛かりで算定した「ベース単価」を設定し、それ以外の規格・仕様では市場取引の調査結果をベース単価に掛け合わせて算定する「シフト単価」を使用する。