建研ら/フィジカルAI実現へロボ2台連携実験/被災後の家屋調査想定

2026年3月12日 行政・団体 [2面]

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 建築研究所(建研)は、災害時を想定しAIを使って二足歩行と四足歩行のロボット2台を自律制御で動かす実証実験を10日に公開した。被災時の家屋調査を想定し、ロボットが柱や壁に近づき傾きや損壊状況を判定した。ロボットなどを自律制御する「フィジカルAI」実現の第一歩に位置付ける。人の操作する部分も多く残るが、AIが自律的に判断、行動できる部分を増やしていく方針だ。
 茨城県つくば市の建研敷地内で実証実験を公開した。ポケット・クエリーズ(東京都新宿区、佐々木宣彦社長)と共同で技術開発している。ロボットは市販品で、ソフトウエア部分などを独自開発した。操作や運用にはMR(複合現実)を使い、AIへの指示は音声で行う。
 ロボットの身体制御と画像からの損傷判定の両方をAIが担う。操作者はロボットのカメラ画像を離れた場所から見ながら、適宜ロボットに音声で指示を出す。カメラ画像から自動的に帳票を作成することもできる。
 現段階で四足歩行ロボットは二足歩行ロボットを自動追尾する機能しかなく、建物へ入ったり壁に近づいたりなどの動作は、人が操作している。二足歩行ロボットの制御も人が介在する部分が多い。モノを握るといった機能もない。
 ただロボットやAIの技術は急速に進歩しており、建研の宮内博之上席研究員は「人が大まかな指示を出したらロボットが自分で考え、センサーを使って状況を判断して自律的に動くのが最終的に目指す姿だ」としている。
 将来は、人の指示でロボットが被災家屋に近寄り、被災状況を自律的に調査する仕組みを目指す。1台の二足歩行ロボットが複数の四足歩行ロボットを率いることも想定する。災害時だけでなく平時の維持管理も活用対象にしたい考えだ。