建設業労働災害防止協会(建災防、今井雅則会長)の調査によると、高齢就労者の災害防止に当たり、元請として熱中症などの「暑熱環境作業」に注意していることが分かった。建設業に従事する高年齢者の熱中症による過去5年間の死亡者数割合は、3割弱(25・9%)だが、ここ2年は3割を超えている。高年齢者向け対策についても7割(69・7%)が取り組んでいた。約3割の取り組んでいない理由として「年齢に関係なく安全対策を実施」が最も多かった。
調査は25年度に実施した。高年齢者に対する労働災害防止対策の現状を把握する目的。全国中小建設業協会(全中建、河崎茂会長)の会員企業を対象に調査し、165社から回答を得た。昨年度は大手ゼネコンを対象に調査した。
高齢者の健康状況については「ある程度把握している」が63・6%、「十分に把握している」が35・2%と、計98・8%が把握している。ほぼ全数で把握し、健康診断の受診有無のほか、日々の健康状況などを新規入場時や現場での声掛けなどで確認している。
元請として気を付けている作業は▽暑熱環境作業135件▽高所作業120件▽重量物運搬作業82件▽重機等運転作業58件の順に多い。
高年齢者の労働災害防止対策を進める上でマニュアル作成を求める声が多かった。▽対策マニュアル、チェックリスト105件▽対策事例集82件▽体力測定71件▽意識付け教育60件-となった。
他の意見では「本人への意識付けか高年齢者になっているとの認識」「密なコミュニケーションをとる」「協力会社が事業者責任として行うべき事項・対策等をマニュアルとして作ってほしい」「推奨される高年齢者保護器具の紹介」などが上がった。
協力会社に対しては43・6%が高齢就労者の災害対策について指導していた。年齢に応じた災害防止対策をしているのは2割弱(16・4%)だった。年齢別対策としては、60歳以上、70歳以上で区分しているところが多い。自由記述では「薬を服用している人の確認」や「おのおの得意分野を生かせるよう確認、聞き取り」などが見られた。
建災防は今後の課題として「中小建設工事業者の取り組みを促進するため、関係者向け周知啓発用資料の作成が求められる」と話す。






