文京学院大学/東京都文京区と夜間景観計画を議論/商店街の明かり守る

2026年5月26日 工事・計画 [4面]

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 文京学院大学(東京都文京区)は、東京・文京区の「景観計画」の見直しに当たり、夜間でも見えやすく安全を確保する観点から、「夜間景観計画」を視野に入れるべきだとする調査結果をまとめた。同区には寺社が集積している。照明のない寺社も多く、夜は暗さが際立っていた。商店街が放つ明かりが周辺エリアの明るさにも連動していることから、にぎわい維持の重要性も訴えた。
 区は現在、景観計画の改定に取り組んでいる。策定から10年が経過したため、社会情勢の変化に合わせる。都による「東京都景観計画」への夜間景観方針の追加にも対応する。新たな景観計画に若者の意見を取り入れるため、区内の大学に通う学生に協力を依頼した。
 文京学院大を含め、まちづくりを研究する5大学が参加した。各大学は、受け持ったエリア内で代表的な風景や見直す必要のある景観を調べた。結果は2月17日の景観づくり審議会小委員会で発表され、委員と意見交換した。
 文京学院大からは、人間学部の岩舘豊助教(現ヒューマン・データサイエンス学部助教)のゼミ生が参加した。ゼミでは地域の活動や課題を学んできたが、景観をテーマにするのは初めてだった。岩舘助教らはフィールドワークを通し、景観には地域住民の関係や抱える課題が表れていると気付いたという。
 都営地下鉄の白山駅から東京メトロの本駒込駅にかけての「白山」を中心としたエリアを調査した。ゼミでの活動時間はほぼ昼間だが、今回のフィールドワークでは初めて夜のまちを調べた。商店街の衰退でシャッターが閉まった風景が増える中、調査エリアにある「白山上向丘商店街」はにぎわっていた。岩舘助教は「商店街が機能していると、夜の明るさが保たれると感じた」と話し、商店街のにぎわいの重要性を学生に伝えた。
 ただ、夜もにぎわう場所では、カラフルなデザインにライトを当てた広告が目立った。地域住民が心地よく暮らすためには、まちの風景になじむ広告にすべきではないかなど、課題も残った。
 白山には歴史ある寺社が多く、都市化により高層マンションも増えている。ゼミ生は「寺町に新しいマンションが建つと、歴史ある場所が動いていないように見える。古い建物を生かしながら新しいものも建てていけば、調和につながると思う」と提案した。
 実際、高い建物と低い建物が混在するエリアでは、夜の暗さが際立っていた。見通しを確保し安全につなげるためにも、どのように明るさを確保するか議論が必要だと感じたという。
 3月に公表された「文京区景観計画」の見直し骨子案では、大学生の提案を踏まえ、夜間景観や太陽光発電パネルへの配慮事項などを新たに追加した。色彩の基準なども再検討する。岩舘助教は「景観計画の見直しを通して、学生がまちづくりに興味を持つ良い機会となった」と話した。
 日頃見慣れていた風景は、人々の思いの積み重ねによって形づくられている。まちづくりに携わる人には地域に寄り添いながら、事業に取り組む姿勢が求められる。