◇建設会社と連携し建築費高騰に対応
三菱地所レジデンスの社長兼社長執行役員に4月1日付で就任した明嵐二朗氏が、日刊建設工業新聞などのインタビューに応じ、経営方針などを語った。分譲マンション事業を柱に据えつつ、社会情勢の変化を見据え、既存建物のリノベーション事業などの多角化を推進する。建築費の高騰には建設会社と緊密に連携し、最適な方策を探る。住宅メーカーとして、世の中になくてはならない会社を目指す。
--目指す会社の姿は。
「住宅を提供するメーカーとして、もう一度ものづくりにこだわり、『いい住まい』を造りたい。唯一無二を意味する『ユニーク』という言葉も大事にする。世の中になくてはならない会社、いなくなったら困る会社を目指す。私たちにしかできない商品を今後も出し続けたい」
--分譲マンション整備にはどう取り組む。
「ここ3年間は1500~2000戸を供給してきた。今後5年間も、おおむね同規模を供給する方針だ。同じ戸数でも、1戸当たり、あるいは1坪当たりの単価は上昇していくだろう。どれだけ利益を確保できるかは、物件の造り込み次第になる」
「マンション建設に適した一定規模の用地確保は難しくなっている。ただ、市街地再開発事業では、一つのきっかけとなる土地があれば、周辺をまとめることでビジネスチャンスが広がる。今後も知恵を出し合いながら用地取得を進めたい」
--少子高齢化など、事業を取り巻く環境は変化している。
「分譲マンション事業だけで、10年、20年先まで安泰とは言えない。多角化に向け、既に種をまいている。数多くある既存建物を、どうビジネスチャンスに変えていくかを考えている。用途変更など建物自体に手を加えるケースもある。住設機器の保証といった小さなサービスや気遣いによって、顧客が安心して住み続けられるストックへ生まれ変わる可能性がある」
--建築費の高騰が続いている。
「70平方メートル台の部屋を備えたマンションを建てる場合、土地代を除いても1戸当たり建築費だけで4000万~5000万円かかる。利益確保は厳しい状況だ。一方で、建設会社に値下げを要請するのは難しい。何とかうまくできないか、方策を考えながら事業に取り組んでいる。共同事業体のように動いてもらえるよう、事業の初期段階から関係性を構築することも重要だ」
--人材の採用・育成方針は。
「採用時には複数の要件を設けている。例えば『素直であること』。面接官全員が要件を確認する。できるだけ平易な言葉に落とし込んだ要件を作っている。採用と育成を結び付け、大切に育てていく取り組みを数年前から始めている」。
(めあらし・じろう)1992年早稲田大学商学部卒、三菱地所入社。2021年総務部部長、24年グループ執行役員兼三菱地所レジデンス取締役兼専務執行役員、4月から現職。石川県出身、57歳。「感謝」「謙虚」「毎日努力する」を胸に刻み、仕事に当たっている。






