内閣府は、「防災技術産業」の振興に向けた取り組みを加速する。技術開発から製品・サービス化、提供開始、需要創出、再投資という好循環の構築を目指し、将来的な海外展開も視野に入れる。月内に防災技術のニーズ・シーズ調査に着手し、10月ごろから研究テーマの検討を開始。11月末をめどに研究テーマを整理する。官民連携や民間主導、分野横断、短期・中期・長期など、多様な研究スキームを想定している。
政府が推進する成長戦略で17分野の一つに位置付ける「防災・国土強靱化」の具体策になる。防災技術が「売れる」サイクルの構築を目指す。年度内に予定される防災庁の設置も見据え、防災技術の開発から実用化・事業化、定着までを一体的に推進する。
都内で3日に開いた総合防災技術推進会議(委員長・古村孝志東京大学地震研究所所長)の初会合で、メンバーは関係省庁から防災技術の取り組み状況などを聞いた。国土交通省は、建設現場で自動・遠隔施工やデータ連携を推進していると説明。大規模自然災害の頻発やインフラ老朽化、生産年齢人口の減少といった課題への対応策として、防災関連技術の開発を位置付けた。
インフラ点検では、排水ポンプなどの設備機器を対象に、AIを活用した故障予兆検知や寿命予測などの技術を紹介した。新技術の導入と普及を後押しするため、カタログ作成やデータベース(DB)の登録・活用も進めている。
月内に開始する調査は、研究開発の方向を決める重要な取り組みとなる。技術ニーズは、住民や民間企業、行政など多様な主体を対象に調査する。災害のフェーズや利用主体、用途などの観点で分類し、全体像が把握できる形で整理する。シーズは防災に分野を限定せず、先端技術の開発動向も含めて調べる。結果は、救援物資輸送や早期被害把握といった用途との関係性が分かるよう整理する。
重要テーマに位置付けた案件は、内閣府防災担当の「事前防災対策総合推進費」で開発を支援。関係省庁や民間による技術開発も後押しし、研究開発レベルの深化と普及につなげる。同日の会議では、委員から「華やかな最先端技術を開発するのではなく、利用者の姿を思い浮かべながら進めるべきだ」など、話題先行の取り組みにくぎを刺す意見もあった。







