海外建設協会(海建協、佐々木正人会長)の会員52社の2025年度海外建設受注額は、前年度比13・4%増の2兆9349億59百万円となり、3年連続で過去最高を更新した。アジアなどで1000億円以上の大型受注が相次いだ。中長期視点では国内建設市場の縮小が見込まれる状況にあって、海建協は今後も各社が海外事業に注力すると分析。26年度の受注額はさらに伸びるとみている。
佐々木会長が5日の定時総会後の会見で報告した。受注実績の内訳を法人別に見ると、日本の企業本体(本邦法人)が4・0%減の6638億86百万円、現地法人が19・8%増の2兆2710億73百万円だった。
地域別では、最大市場のアジアが19・7%増の1兆7146億90百万円と大幅に増加。次いで主力の北米が2・0%減の8982億30百万円と減少したものの、高い水準は維持している。国別では、前年度に続き首位の米国が1・5%減の8762億円。シンガポールが49・3%増の7348億円と続いた。
発注者別では、公共自己資金の受注額が8・3%増の1兆3235億円、民間現地企業が27・9%増の1兆0733億円、民間日系企業が16・5%増の3701億円。円借款と無償資金協力を合わせた政府開発援助(ODA)は19・1%減の1681億円だった。
施設別に見ると、病院などの公益施設が7505億円(前年度比106・4%増)、商業ビルが3739億円(51・6%増)、工場が3480億円(22・3%減)、住宅が3029億円(177・4%増)と建築が上位を占めた。
佐々木会長は、受注額全体の押し上げ要因について「海外建設工事が大型化している」傾向を挙げた。特に大きかったのがシンガポールの病院と公共施設、空港土木、米国のコンベンション施設の4件。いずれも1000億円を超えた。
国内建設需要は堅調だが、いずれ人口減少に伴い縮小が予想される。佐々木会長は「海外はマーケットがあるので、各社とも成長分野で伸ばしていこうと考えているのではないか」と指摘。会見に同席した河田浩樹専務理事も「(26年度も)受注の増加傾向は続くのではないか」と前を向く。
事務局によると、中東情勢の影響で海外現場の工程が遅れる事態は発生していない。
佐々木会長は「当協会が持つ情報や知見、国内外関係機関とのネットワークを生かし、会員を支援していく」と展望。リスクに適切に対処しながら海外事業の成長を支えていく。








