林野庁は、国産木材の土木利用に一段と力を入れる。政府が閣議決定した「森林・林業基本計画」に「土木分野等における木材需要の創出」を位置付けた。脱炭素の効果を意識しながら、木杭による地盤改良、コンクリート型枠や鉄道用枕木への国産材利用などを推進する。今後5年で土木を含めた建築用材などで木材利用を500万立方メートル増やす目標を設定。供給と需要の増加を両にらみした施策を展開する。
計画は5日に閣議決定された。2021年閣議決定の前計画の成果を評価し、20年程度先を見通した目標、取り組みをまとめた。木材利用量は30年に建築用材などを2300万立方メートル(24年実績1800万立方メートル)に増やす目標を設定した。
土木分野は、25年度補正予算で実施する「CLT等木質建築部材技術開発・普及事業」や「スギ材の需要拡大のうち花粉症対策木材の活用に向けた技術開発事業」に採択した取り組みを木材利用の増加に生かす。
具体策として、新たな液状化対策工法の開発(代表者飛島建設)、国産エンジニアード利用技術の開発(北海道立総合研究機構)、軟弱地盤対策のための木材地中利用工法の開発(国際緑化推進センター)、土木・貨物用合板の開発・普及(日本合板工業組合連合会)を採択している。
小口径の木材を束ねた木杭を事前防災のための液状化対策に利用したり、鉄道車両の倉庫や引き込み線などに木製枕木の採用を増やしたりするような取り組みを支援する。木材を地中で使う軟弱地盤対策の共通仕様書の整備や事例調査、型枠用合板に広葉樹やスギを使う技術の開発を促す。26年度の研究開発や調査結果を踏まえ、来年度の取り組みに弾みを付ける。
土木分野の木材利用は、温室効果ガス排出量を算定・報告・公表するSHK制度や、ライフサイクル二酸化炭素(LCCO2)の施策と組み合わせ、脱炭素の効果を可視化しながら進める。地中の木材利用は、日本プロジェクト産業協議会(JAPIC、進藤孝生会長)が10日に小坂善太郎林野庁長官へ政策提言を申し入れている。防災対策として宅地、建物だけでなく盛り土構造物、発電所、港湾施設などの液状化対策に利用し、地域防災計画に基づいて木材を計画的にストックするよう求めた。森林・林業基本計画の目標値は高く、今後さまざまな取り組みが活発化しそうだ。







