日本建設業連合会(日建連、押味至一会長)は、猛暑期間の作業回避を目的に、変形労働時間制度の活用推進方策をまとめた。厚生労働省とQ&Aやモデル勤務カレンダーを作成し、会員企業や協力会社の意見を取り入れながら検討を進めてきた。建設現場で働く技能労働者の安全確保や処遇改善にもつながるため、制度活用は欠かせない。猛暑期間以外に労働時間を増やせば生産性向上も見込めるため、制度普及や導入の参考にしてもらう。
推進方策では、休日の調整や作業時間の前倒し、月給制導入などを盛り込んだ。猛暑期間の労働時間を短縮した場合、その分を他の時期の労働時間延長で補う。ただ、技能労働者は1日8時間を超える作業が体力的に厳しい場合が多い。冬季は日没が早く気温も低いため、作業時間延長にも限界がある。
このため、猛暑期間以外は労働時間を延ばすのではなく、休日を減らして調整する方向を示した。ただ、業界全体で進める週休2日制や一斉閉所との整合を図りながら、現場ごとに柔軟に運用する必要がある。
猛暑期は真夏の高温下での作業を避けるため、始業時間の前倒しが有効と判断した。例として、猛暑期間(7~9月)は午前6時~正午の6時間勤務、猛暑期間以外は午前8時~午後5時の8時間勤務を示した。
日建連は会員企業などへのヒアリングで課題を整理し、制度普及を進めてきた。6職種12社の協力会社へのヒアリングでは、変形労働時間制度を導入済みの企業が2社あり、「取り組みを進めたい」との回答もあった。導入の壁には発注者の理解不足が挙がり「元請や発注者の理解が必要」との意見が多かった。変形労働時間制度について「1日の労働時間を延ばすことへの抵抗感」を尋ねたところ、「抵抗がある」とする回答が多かった一方、「休日の調整」には賛成意見が目立った。
22日に都内で開いた定例会見で、押味会長は「各社が工夫している。酷暑対策を強化しているのは間違いない。日建連全体でも働き方の工夫を進めていく」と話した。相川善郎副会長は「個社での試行が重要だ」とした上で、「実際に導入している事例もある。柔軟な対応が大事になる」と述べ、変形労働時間制度の意義を強調した。蓮輪賢治副会長は「運送業や製造業も関わる問題だ。サプライチェーン(供給網)全体で生産性を落とさず、酷暑対策の大きなテーマとしてサマータイムを検討してほしい」と話した。







