国土交通省が文部科学省と連携し推進する「宇宙無人建設革新技術開発推進事業(宇宙建設革新プロジェクト)」が2026年度に最終年度を迎える。ゼネコンなどが提案した12件の技術研究開発プロジェクトを選定し、基盤技術の開発で成果をまとめる。月面拠点建設の実現に向け開発や実証を引き続き進める一方、国交省はプロジェクトを通じ蓄積した建設機械の遠隔・自動化技術などを地上の無人化施工に生かす。
両省は21年度に開始した「宇宙開発利用加速化戦略プログラム(スターダストプログラム)」として6カ年の技術研究開発を推進。19日に都内で開いた「宇宙を目指す建設革新会議」で最終年度の各プロジェクトの取り組み方針や、成果の発信の仕方などを議論した。国交省のホームページで成果を公開し、月面拠点建設のプロセスを動画で紹介したり、今後の課題を発信したりする予定だ。
12件はすべてがR&D(技術研究開発)の段階。各プロジェクトの代表者と共同実施者を合わせ、民間企業や学術機関の計35者(重複あり)が参画している。技術分類別に見ると、月面建設を想定した「無人建設(自動化・遠隔化)」が8件、月面資源に着目した「建材製造」が1件、月面滞在のための「簡易施設建設」が3件。超遠隔地での建機操作や、暑熱や放射線など宇宙特有の環境に対応した技術の研究開発プロジェクトが並ぶ。
地上と宇宙のノウハウを意見交換する場として27年度以降も同会議は残す方向だ。一部のプロジェクトは、政府が宇宙航空研究開発機構(JAXA)に設置した宇宙戦略基金に基づく支援対象に採択済みで、研究開発を継続する。国交省は無人化施工の技術などを地上の災害対応や現場の省人化に生かす方策を検討する。
12件の概要は次の通り。▽プロジェクト名称=代表者。
【無人建設】
▽建設環境に適応する自律遠隔施工技術の開発-次世代施工システムの宇宙適用=鹿島▽自律施工のための環境認識基盤システムの開発及び自律施工の実証=清水建設▽月面適応のためのSLAM自動運転技術の開発=大成建設▽トータル月面建設システムのモデル構築=有人宇宙システム
▽デジタルツイン技術を活用した月面環境に適応する建設機械実現のための研究開発=コマツ▽月面の3次元地質地盤図を作成するための測量・地盤調査法=立命館大学▽索道技術を利用した災害対応運搬技術の開発=熊谷組▽回転切削圧入の施工データを利用した月面建設の合理的な設計施工プロセスの提案と評価=技研製作所
【建材製造】
▽月資源を用いた拠点基地建設材料の製造と施工方法の技術開発=大林組
【簡易施設建設】
▽月面インフレータブル居住モジュールの地上実証モデル構築=清水建設▽月面における展開構造物の要件定義および無人設営検討の技術開発=大林組▽月の極域および縦孔での滞在開始用ベースキャンプの最少形態と展開着床機構の開発=東京大学。







