民間工事、契約方式の選択肢充実必要/国交省はOBCF導入へ議論

2026年7月3日 行政・団体 [1面]

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 予測困難な物価変動など建設事業を巡るリスク要因が肥大する中、「オープンブック・コストプラスフィー契約(OBCF)」が有効な工事契約方式として浮上している。国土交通省が9日に初会合を開く建設業政策の新しいビジョンの検討会で議論の俎上(そじょう)に載る方向だ。特に、民間工事は総価一式で請負契約を結ぶ従来方式の弊害が強まっていると考えられ、受発注者の合意に基づき選択可能な契約方式のバリエーションを充実させるべきだとの声が上がっている。=2面に関連記事
 国交省が4月に公表した「今後の建設業政策のあり方に関する勉強会」の取りまとめでは、OBCFについて「コストなどの透明性を担保しつつ、円滑に工事を進めるための現実的な契約手法の一つとして検討に値する」とした。有効なケースとして資材価格や労務費など建設コストの上昇局面、迅速な対応が必要な大規模災害時を例示する。
 OBCFは受注者が支出した費用(コスト)の内訳を発注者に開示した上で実費精算し、事前に合意した報酬(フィー)を加算して支払う仕組み。物価変動に応じた価格転嫁や設計変更の協議を円滑に行えたり、詳細な工事内容が未確定の段階で迅速に発注できたりするメリットがある。国交省は実践の経験があるゼネコンを含む、国内外の関係事業者にヒアリングした調査結果を3月に公表。今後の検討材料として、受発注者それぞれの立場で想定される効果や課題を整理した。
 建築費の高騰をきっかけに今月始まった不動産協会(不動協)と日本建設業連合会(日建連)の協議体では、受発注者の「情報の非対称性」が話題になった。発注側の目線からは「コストが一体いくらかかり、労働者に行き渡っているか。それが見えるようにならなければ正当に判断できない。建築費が高騰する根拠に透明性が得られていない」といった声が多く聞かれる。
 国交省の調査によると、OBCFが定着している英国では、民間工事用の標準的な契約約款に多種多様な選択肢が用意されている。日本では選択肢が少なく「契約の技術革新が生じにくい」という現地事業者の声も紹介する。建築生産分野のある専門家は、総価契約が大勢を占める現状を踏まえ「本来は発注者の目的に応じ、最適な発注・契約方式を選択できる環境がなければならない」と指摘する。