◇見積書内訳明示努力義務化を周知
国土交通省は、改正建設業法が全面施行する直前の2025年10~11月時点で、元下・下下間で取り交わす見積書で労務費などを内訳明示しているかどうかを調査した。改正業法では労務費や材料費に加え、法定福利費や安全衛生経費といった特定の必要経費を見積書で内訳明示することを建設業者に努力義務化した。1次下請の対応として労務費と材料費は5~6割程度が内訳明示に対応している状況にある。
25年度「社会保険の加入及び賃金の状況等に関する調査」の一環で、改正業法への対応実態を聞いた。調査は建設業許可業者3・5万者に依頼し、うち6051者の有効回答があった。改正業法に基づく「労務費に関する基準」や見積もり・契約規制の運用、見積書での内訳明示の努力義務化などを「知らない」と回答したのは約4分の1。法施行直前の段階で新たな措置の認知状況は途上だったことが分かる。
労務費の内訳明示は下請次数を問わず、公共工事より民間工事の方が進んでいない傾向があった。内訳明示した労務費を「100%以上受け取れた」との回答割合も、公共工事の1次下請が78・9%だったのに対し、民間工事の1次下請は72・1%とやや低かった。
材料費は反対に、民間工事の方が内訳明示の割合が高くなる。材料費を「種類ごと」か「一括」で記載した1次下請は公共工事で67・9%、民間工事で74・9%だった。一方、内訳明示した材料費を「100%以上受け取れた」は公共工事の1次下請で74・9%、民間工事の1次下請で68・5%と逆転する。労務費よりも受け取れる割合が少なめだとみることもできる。
社会保険未加入対策の一環で先行的に取り組まれてきた法定福利費の内訳明示は、公共工事の1次下請で71・4%が対応するなど高めの割合で推移する。ただ、民間工事は公共工事より約20ポイント低めの対応状況となっている。「100%以上受け取れた」割合も公共工事の1次下請が81・8%に対し、民間工事の1次下請は74・0%と低い。
安全衛生経費は内訳明示の前段階として、取引当事者間で対策実施の役割分担と費用負担の明確化が必要となる。現状で役割分担・費用負担が明確化されているケースは、公共工事も民間工事も半数程度にとどまる。内訳明示の浸透に向けた過渡期が続いており、実施割合は依然2割程度と低い。









