血液製剤機構/千歳市に新工場建設/製造能力拡大で2000億円投資

2026年7月13日 工事・計画 [4面]

文字サイズ

 日本血液製剤機構(中西英夫理事長)が新たな工場建設と既存工場の再整備に2000億円を投資する。新工場は北海道千歳市に建設する。用地取得で同市と協議に入った。既存工場は同市と京都府福知山市にある。工場の新設と再整備で血液製剤の製造能力を現在の2倍に引き上げる。新設工場を含め3工場が連携することで、血液製剤の安定供給を目指す。
 同機構は献血された血液に含まれる「血漿(けっしょう)」から有用なタンパク質を分離・精製し、「血漿分画製剤」を製造している。2012年に日本赤十字社が設立した。今後32年度までに血漿分画製剤の一種「免疫グロブリン製剤」などの生産能力を1・2倍(26年度比)に拡大。35年度までに2倍(同)に引き上げる計画を示している。
 新工場の工期や規模は今後固める。同機構の担当者は「各製造工程で必要となる新棟を順次建築し、稼働する方針」と述べるにとどめた。工場内には最新設備を導入し、AIやIoTを最大限活用する。血漿分画製剤は製造工程が複雑で特殊なため、従来自動化や効率化が難しかった。
 バッグから血漿を取り出す作業は現在手作業だが、新工場ではロボットが行う。人の目でしか判断できなかった目視検査は機械に任せる。原材料や製品の搬送も自律型搬送システムが担う。可能な限り少ない人数で製造できる体制を構築する。既存2工場に対しては「各製造工程で今後必要となる新棟を順次建築するとともに、老朽化にも対応する」(同機構担当者)計画だ。
 既存の千歳工場は血漿からタンパク質を抽出する工程を担う。京都工場と新工場は、既存千歳工場で製造した半製品を受け取り、完成品に仕上げる。