西松建設は16日、山岳トンネル工事のずり(掘削土砂)出し作業に使うホイールローダーの自動運転システムを開発したと発表した。走行ルートを自律的に判断、選択して移動。切羽に向かい走行し、ずりをすくい取り、後方(最大約100メートル)にあるクラッシャーへ運搬、投入する一連の往復動作を自動化した。年度内に現場実証し、有効性の確認と課題を抽出。得られた知見などを生かし、技術をさらに高度化する。
新システムはホイールローダーに搭載したLiDAR(ライダー)センサーで重機の自己位置を正確に把握するとともに、切羽のずりやクラッシャーの位置情報も読み取り、瞬時に最適な走行ルートを自律生成する。この流れを動作のたびに繰り返し行い、時々刻々と変化する切羽のずり位置に応じた最適なルート生成ができる。
走行ルートにカーブや障害物がある場合、アクセルやブレーキを自律的に調整する機能も搭載。指定した進入禁止エリアを除外した走行ルートを自律生成できる仕様も備えた。これにより、ほかの重機との同時施工にも対応し、安全性を一層高める。
従来システムで必要だった事前の走行ルート設定やオペレーターによる選択操作が不要となり、操作負担を大きく軽減。走行ルートを瞬時に自律生成できるため、作業の待機時間がなくなり、より効率的なずり出し作業を実現する。
同社は山岳トンネル工事で重機の遠隔操作や自動運転を中心とした無人化・自動化施工システム「Tunnel RemOS(トンネル・リモス)」を開発している。今回のホイールローダー自動運転システムも、トンネル・リモスを構成する技術の一つ。
同社は2027年度末に複数の遠隔操作技術を統合して切羽作業の無人化を実現するとともに、自動化技術の開発を並行して推進。30年度末に30%以上の省人化による生産性向上の実現を目指す。











