「人と現場」を経営の根幹に据え、これまで培ってきた技術力や施工力をさらに高める。人財育成や施工体制の強化、DX推進を通じて旺盛な需要を取り込み、GXなど成長分野にも積極的に投資する。グループを含めた総合力を磨き、地域密着の総合設備エンジニアリング会社として社会から求められ、顧客から選ばれる会社を目指す。
--就任の抱負を。
「2026年度は6カ年中期経営計画の最終年度となる。この間、連結ベースで売上高7000億円程度、営業利益500億円程度という成長指標を2年前倒しで達成するなど、組織面を含め大きく成長した。一時的なものにせずさらに前進させたい。良きものは守り、変えるべきものは変える。安全・品質を最優先に、社会や顧客ニーズの変化に応えたい。関西電力グループの一員として電力安定供給という社会的使命も果たす」
--経営方針は。
「最も大切なのは『人』と『現場』であり、社員が力を発揮できる環境づくりに努める。私自身、一貫して一般工事部門で歩み、苦労を重ねながら施工管理に携わってきた。この経験からも事業の原点は現場にあると考えている。『現場力』と『必ずやり遂げる精神』を次世代へ受け継ぐ人財を育てたい。ここ数年は毎年400人超の新卒者を採用している。きんでん豊洲ビルや建設中の新きんでん学園などの教育拠点を活用するとともに、研修内容も充実し現場力を高めていく。失敗を恐れず挑戦する企業風土も大切にしたい」
--今後の受注戦略は。
「建設市場は当面堅調に推移するだろう。データセンターや半導体関連は成長分野であり、1990年代から培ってきた大型案件の施工実績とノウハウがある。電気、空調、情報通信、内装まで対応できる総合力で需要を取り込む。ビルや工場など従来分野も顧客に寄り添った提案を続ける。施工体制の強化は不可欠だ。地域密着営業を基本に、大型案件ではエリアを越えた『オールきんでん』で対応する。北弘電社や弘電社と連携を深めながら施工能力を高め、協力会社との関係強化にも力を注ぐ。M&A(企業合併・買収)は施工力や技術力の向上につながる案件を慎重に見極める」
--DX・GXをどう成長戦略につなげるか。
「DXはAI活用に向けた社内検討を進め、生産性向上や業務改革を加速する。GXでは関西電力と展開する蓄電所向けの保守・メンテナンス事業や『カン-denchiファンド』を収益の柱に育てたい。洋上風力など再生可能エネルギー分野も事業性や採算性を踏まえ、脱炭素社会の実現に貢献していく」。
(6月24日就任)
(よします・けんじ)1988年近畿大学理工学部電気工学科卒、近畿電気工事(現きんでん)入社。2017年執行役員大阪支社長、24年取締役兼常務執行役員技術本部長、25年経営執行役員常務。好きな言葉は「和をもって尊しとなす」。現場経験を重ねる中で、仲間と力を合わせ、対話を大切にしてきた。和歌山県出身、64歳。








