和歌山県南紀エリアで四つのホテルや旅館を運営する浦島観光ホテル(和歌山県那智勝浦町、松下哲也社長)は、洞窟温泉で有名な「ホテル浦島」(那智勝浦町勝浦)を8月1日にリニューアルオープンする。約40億円を投資し、太平洋を望む日昇館などの大幅な改装を行った。内装などの設計・施工は三井デザインテックが、コンストラクションマネジメント(CM)業務は山下PMCが担った。
同ホテルには硫黄分を豊富に含む高濃度の温泉があり、紀州徳川家第15代当主・徳川頼倫が「帰るのを忘れさせるほど」と称した洞窟温泉「忘帰洞」は、自然の造形美と太平洋の荒波を望む唯一無二の体験として親しまれている。本館と山上館を結ぶ高低差日本一(77メートル)のエスカレーターも名物だ。
今回の改装は12月に開業70周年を迎えるに当たり、大規模リニューアル計画の第1弾として実施した。8階建て全130室の日昇館は、客室78室を大幅に改装。ベッドスタイルに改め、琉球畳を用いて和のぬくもりと洋の機能性を融合させた。新レストラン「Chef’s Live Kitchen」ではオーシャンビューの開放的な空間で料理が楽しめる。本館のロビーも改装したほか、日昇館との間を結ぶ約90メートルの専用トンネルは青い照明を用いて「うみのトンネル」とし、スタンドバーなどを備える空間につくり変えた。
27日には関係者らが出席して記念式典が開かれた。浦島観光ホテルの親会社である日本共創プラットフォーム(JPiX)の冨山和彦代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)は、「地域に素晴らしいポテンシャルがあるからこそ、このホテルは今日まで発展を続けられた。南紀地方全体の振興を目指し、20年、30年という長い時間軸で考え仕事をしていきたい」とあいさつ。松下社長は「今回のリニューアルで、次の時代へ進むための新たな舞台を得た。会社の成長が地域の雇用や所得の向上などにもつながる好循環を広げていきたい」と力を込めた。来賓の宮崎泉和歌山県知事は「県もデジタル技術などを駆使して『稼ぐ観光』に力を入れる考えだ。県内外に地域の魅力を発信していく」と語り、堀順一郎那智勝浦町長が祝辞を述べた。
式典に出席した山下PMCの丸山優子社長は「旅行スタイルが多様化する中で、地方観光業の手本となるようなリニューアル事業に携われたことは大変光栄だ。既存施設の活用法などプロジェクトで得た成果を、今後の事業に生かしたい」と語った。








