大成建設グループは4日、福島県田村市に整備した次世代技術実証センターの本運用を開始した。中核施設となる「ゼロウオータービル」として、建物内で使用する水を雨水の再利用だけで賄う管理事務所棟が完成した。ゼロウオータービルは自治体庁舎やオフィスビルなどへの展開を目指す。1年前から先行運用している無人自動運転トラックの舗装テストコースは、5台同時の24時間連続走行が可能で、多様な次世代技術の早期実用化につなげる。
同日、施設を報道陣に公開した。同社の長島一郎専務執行役員技術センター長は「当施設は次世代技術のショールームではなく、社会実装を前提とした『実証フィールド』として構築した」と説明。環境性能とレジリエンスに優れた次世代技術の実証を加速し、国内外への普及を進める。
次世代技術実証センターは、▽ゼロウオータービルの自然共生型管理棟▽森や半自然草原、湿地で構成するネイチャーフィールド▽舗装テストコース-の3施設で構成する。本運用を始めた自然共生型管理棟はセンター全体を管理する。飲料水を含む建物内で使用する水を雨水で賄い、汚水や雑排水もトイレ洗浄水として循環利用する。水道水は原則使用しない。
雨水ろ過装置と生活排水の微生物膜浄化処理装置を組み合わせ、効率的な水循環システムを構築した。貯留槽と屋根に設けた集水設備で雨水を30トン貯留。AIを活用し、降雨量などに応じて雨水貯留量をリアルタイムで予測・制御する。
施設はW造2階建て延べ約580平方メートルの規模。田村市産の一般流通木材を活用し、シザーズアーチ架構を採用することで、約11メートルスパンの木造大空間を確保した。
同社は、横浜市中区にある横浜支店ビルを改修し、ゼロウオータービルの機能を導入する予定。自治体庁舎への導入も視野に入れ、小規模建築物には全面導入、中・大規模建築物には循環トイレやシャワーなどの一部導入を提案する。木アーチ架構も災害時の応急仮設住宅や地方・郊外型データセンターなどへの展開を見込む。
同社グループは、埼玉県幸手市の次世代技術研究所で国内初の「ゼロカーボンビル」として整備した管理研究棟とのシナジー(相乗効果)で、持続可能な次世代技術の開発を強化する。








