東京都環境局は、大規模建築物の新築時に環境規制を強化する。国の制度改正と足並みをそろえ、「建築物環境計画書」の提出対象を拡大。建物のライフサイクル全体で排出する二酸化炭素(CO2)の量や削減策などを報告してもらう。内容を評価・公表し、企業などに積極的な環境配慮を促す。今秋にも条例改正案への意見募集を始め、年度内の条例改正を目指す。
新制度では、延べ5000平方メートル以上の大規模建築物全てを対象に、新築時の環境計画書提出を義務付ける。国の制度より対象を広げる。過去の提出実績から、建物全体の5%程度が新たに提出義務の対象となる見込みだ。
環境計画書の記載内容も拡充する。建設時のCO2排出量だけでなく、建設から維持管理、運営、解体まで全段階で排出するライフ・サイクル・カーボン(LCCO2)の算出と削減を求める。LCCO2は、住宅・建築SDGs推進センターが提供する環境負荷算定ツール(J-CAT)の簡易算定法を使い、設計初期の段階で算出する。AIツールを使えば、最短で2人・日程度で算出できる。
CO2排出量の削減策は都が評価し、項目ごとに3段階で公表する。現行制度から評価項目を大幅に刷新し、▽持続可能な低炭素資材などの利用▽EPD(環境製品宣言)などの活用▽LCCO2の算定・把握▽建設現場の環境負荷低減-の四つに整理する。
低炭素資材などの利用では、国産材の利用や躯体への低炭素素材の適用を高く評価する。高炉スラグや再生骨材を使ったコンクリートの活用も加点対象。グリーン購入法で規定された「特定調達品目」やEPD品目の使用も評価する。合計8点以上を評価3、6点以上は評価2、5点以上を評価1とする。
建設現場の環境負荷低減では、CO2排出量を減らす施策を評価する。100%再生可能エネルギー由来の電力やバイオ燃料の利用、電動重機の導入などが加点対象となる。持続可能な型枠の採用、建設副産物の有効活用・適正利用なども対象に加え、合計3点以上を段階3、2点は段階2、1点を段階1とする。
詳細な内訳は公表しないが、各分野の評価段階は公表する。計画書は建築確認申請の提出日までに都へ提出し、LCCO2の算定結果は国と同じく着工14日前までに届け出る。工事完了届の際には、任意でLCCO2を再算定できる。
今秋ごろに改正案をまとめ、意見募集に入る。年内にも有識者による「技術検討会」を開き、その後、条例改正の手続きに入る。年度内に条例や関連規則を改正し、国の法律と同じ2028年度の施行を目指す。









