スパイダープラスが開発した建設現場の資機材情報管理システムは、現場管理者の業務削減に効果を発揮する。無線自動識別(RFID)タグを使い、搬入や配置など資機材の流れを一元的に把握できる。手作業に頼り、所在不明や手配漏れが頻発する現場のあしき慣習を改め、業界の「共通資産」となる仕組みを目指す。
資機材情報管理システム「S+Trace(エスプラストレース)」は3月から提供している。デジタル管理を先行する高砂熱学工業の監修を受けて開発した。ウェブアプリで納期や数量を調整・管理するほか、RFIDタグを使って納品した資機材の管理・追跡を行う。在庫や施工、検査の進捗も把握できる。
一つの現場で扱う資機材は数万点に及ぶケースが多い。そこで資機材一つ一つにRFIDタグを貼り、リーダーをかざすことで、目視できない場所にあるものも追跡できるようにした。個体を識別することで、取り違いや誤配、紛失を防ぐ。確実なトレーサビリティー(追跡可能性)を確保し、資機材を探すための手間や手戻りによる工期遅延のリスク、原価の流出も抑える。
高砂熱学工業の現場で計3万時間以上運用した結果、現場管理者1人当たりの1日平均業務時間を24分削減した。総削減時間は3万2716時間。フルタイム勤務の約13人分に相当する。
担当者は「資機材一つ一つの状態をリアルタイムで把握するニーズがあった」と開発の背景を説明する。現場管理者の経験や勘に頼ることで、資機材の所在不明や手配漏れが常態化していた状況を改める。2024年度に導入された時間外労働の罰則付き上限規制も背景にある。
システムは全社レベルの運用を想定する。購入を希望する企業は、まず単体のモデル現場で試行し本格導入の是非を判断する。価格は現場の規模や管理者の人数などを踏まえ、個別に見積もる。
現在は数社のサブコンに加え、ゼネコンからも引き合いがあるという。納期の回答などを担うサプライヤー側には、情報共有の一環としてシステムの構築に参画してもらう。資機材のサプライチェーン(供給網)に関わる事業者が情報を共有、利用できる共通データ基盤の構築も見据える。
主力サービスの建築図面・現場管理アプリ「SPIDER PLUS」との連携も探る。蓄積した情報を図面にマッピングできる同アプリの機能と組み合わせ、さらに使いやすいシステムを目指す。
別の担当者は「データを一元管理できれば、ユーザーにとってもメリットがある。施工管理と資機材管理をシームレスにつなぎ、業界全体の生産性向上に貢献したい」と話す。









