長野県は2028~30年度の建設工事の入札で、参加資格の審査項目を見直す。「雇用環境」分野で、社員の奨学金返還を支援する制度がある企業に15点、建設ディレクターの資格認定を受けた社員を雇用している企業に10点を加点する。若手の採用や技術者の負担軽減を後押しし、建設業の担い手確保につなげる。9日の県契約審議会(会長・佐々木基建設経済研究所理事長)で報告した=写真。
奨学金返還支援制度への加点は、企業の制度導入を県が補助する「奨学金返還支援制度導入企業サポート事業」と連動した運用を想定。同事業は1社当たり最大3人(認証取得状況によっては5人)の社員に対し、年額12万円を支給する。建設部技術管理室の担当者は「事業の対象となっていない企業でも、奨学金の返還支援を社内規定などで取り決めていると証明できれば、加点対象にしたい」としている。
奨学金返還支援制度を入札で評価する制度は、北海道が全国に先駆けて23年度に導入している。佐々木会長は「若手の採用難と、社会課題となっている奨学金問題の両方に踏み込む、思い切った取り組みだ」と評価した。
建設ディレクター雇用を評価する背景には、「現場の技術者が書類作業に追われ、本来業務の品質が落ちている」(建設部技術管理室)現状がある。バックオフィス業務で現場を支える人材の採用を促し、技術者の負担軽減につなげる。
長野県建設業協会(深澤信治会長)の構成社数506社に対し、県内で建設ディレクターを雇用している企業は50社程度。契約審議会の木下修委員(長野建協顧問、前会長)は「建設ディレクターの資格取得に費用がかかることもあり、思ったほど普及していない印象だ」と指摘。「資格を持っていなくても、書類作業で現場を支える人材の雇用に力を入れている企業がある」とし、そうした企業を加点から取りこぼさない制度設計を求めた。









