8月に千葉県内を襲った記録的な豪雨から1カ月が過ぎようとしている。被害を受けたインフラの多くは応急復旧を終え、本格的な復旧に向けた準備に着手している。一方、険しい地形や被害規模の大きさから対応が難航し、遅れが出ている現場もある。全面的な復旧には、まだ時間を要する見込みだ。=5面に関連記事
主要な交通網は機能を回復させつつある。土砂崩れで不通となっていた県道生実本納線(旧千葉外房有料道路)は3日、片側交互通行で開通した。協定に基づき、千葉県建設業協会の会員企業らが復旧に従事。県土整備部担当者によると「国の支援もあり、予定よりスピーディーに対応できた」という。
県内では6~7日にも線状降水帯が発生し、大雨となった。被害拡大の恐れから、同県道は再び通行止めとなったものの、現在は解除されている。
のり面崩落が発生した千葉東金道路(管轄・東日本高速道路会社)は、清水建設や鹿島らが応急復旧に対応。3日に車線規制を解除し、現在は本復旧に向けた調査・設計段階にある。道床が流出していたJR外房線の土気トンネルも交通建設が復旧に当たり、全区間で運転を再開している。
冠水の影響で道路に取り残された車両は、千葉県レッカー事業協同組合や千葉建協らの協力で撤去が完了した。
JR本納駅前が冠水した茂原市は、排水作業や廃棄物撤去を終えた。大網白里市では仮復旧を進める中、6~7日の大雨で新たな崩落に見舞われた。険しい地形箇所は対応が難航。「本復旧へはまだ時間がかかりそうだ」(担当者)と長期化を懸念する。
都市型水害の脅威が浮き彫りになったことを受け、熊谷俊人千葉県知事は3日に開いた会見で「水害対策のビジョンづくりを進める」考えを表明。神谷俊一千葉市長も2日の会見で、ハード整備の限界に触れつつ、「雨水貯留施設や下水道の処理能力の検討などに取り組む」と今後の方針を説明した。
熊谷知事や神谷市長らは国に対し8月27日、都市型水害対策の抜本的強化やアンダーパス対策などを重点項目とする緊急要望を行った。千葉市内の被災箇所を視察した金子恭之国土交通相は「県や市の意見を受け止め、引き続き復旧や防災対策に全力を注ぐ」と前向きな姿勢を示した。
復旧に向けた動きはこれから本格化する。県や自治体はインフラの早期再建を進めつつ、水害対策の抜本的な強化を急ぐ。









