民間工事契約で物価高騰などに応じた契約変更条項を設ける動きが、改正建設業法の施行後も広がっていないことが、国土交通省の調査で分かった。請負代金や工期の「変更方法」を契約書の法定記載事項とする規定が2024年12月に施行したが、これ以降に請け負った工事で契約変更条項が「あった」と回答した建設会社の割合が1年前の前回調査を下回った。調査回答者のサンプルが異なるとはいえ、改正法の義務規定が民間発注者側にも十分に浸透していないと判断せざるを得ない状況だ。
民間工事の契約変更条項の有無は「適正な工期設定等による働き方改革の推進に関する調査」で設問の一つにしている。25年度調査では24年12月以降に請け負った工事の26年1月時点の実態を聞いた。元請工事で同条項が「すべてあった」か「おおむねあった」は54・9%だった=表参照。
改正法の施行前に当初契約を締結した工事がほとんどだったとみられる24年度調査では、同条項が「すべてあった」か「おおむねあった」は60・2%だった。施行後は契約書に「変更額を協議して定める」といった記載が必須となり、契約変更を認めない内容の契約や、同条項がない契約は許容されなくなった。ただ、現場レベルで契約慣行の見直しが進展している形跡は見られない。
発注者の対応も改善していない。不動産業や住宅メーカー、電力会社などの民間発注者への調査で同条項が「あった」と回答した割合は24年度が59社のうち66・1%、25年度が55社のうち56・4%だった。
物価高騰などを理由に注文者(発注者・元請)に契約変更の協議を申し出た建設会社のうち「応じてもらえなかった」と回答した割合は24年度に20・1%、25年度に22・3%だった。協議を行えば9割程度は実際に契約変更を行えているとの調査結果も出ているが、そもそも協議のテーブルに着くことさえ発注側の対応は改善されていない。契約書に契約変更条項を明記する確実な対応が早急に求められる。









