大阪市水道局は、管路更新ペースの引き上げに向け、新たな官民連携事業の具体化に乗り出す。施工規模が大きく難度の高い基幹管路や水管橋、軌道横断管路などを対象に、マーケットサウンディング(対話型市場調査)を実施する。事業規模や事業スキーム、官民の役割・リスク分担などについて提案を募る。2029~38年度の約10年を事業期間として想定し、水道インフラの強靱化に向けた大型官民連携事業の組成を目指す。
市は、老朽インフラ対策と地震対策を強化するため、経年管の更新ペースを現行の年間約53キロから約63キロへ引き上げる方針。24~53年度の30年間で、基幹管路約300キロ、配水支管約1480キロの計約1780キロを更新する計画で、現行計画から約260キロ増やす。事業費は物価変動分を反映し、約8520億円(税抜き)を見込む。
今回の市場調査では、官民連携による管路更新事業の実現可能性を検証する。対象は、基幹管路の鋳鉄管の更新・撤去や非耐震適合管、使用可能年数を超過した管路の更新。これに近接し、一体施工による効率化が見込める配水支管の更新も含める。配水支管では、水管橋や軌道横断管路など施工難度が高く、個別の現場条件に応じた工法検討が必要な施設を対象とする。
事業場所は市内一円。市が計画から設計・施工・施工監理・運営までの一連の業務を民間に一括して委ねることを前提に、更新ペースの向上や事業費縮減を図る。官民の役割・リスク分担やVFM(バリュー・フォー・マネー)の確保、民間の技術力や創意工夫の活用などの意見を求める。
市は、35年度までに全ての鋳鉄管を解消し、南海トラフ巨大地震への対策を完了する方針。53年度までには使用可能年数を超過した管路の解消を目指す。重要施設に至る管路や基幹管路ネットワークを構成する管路の耐震化も進め、上町断層帯地震への備えを強化する。
参加資格は、PFI事業への応募実績や官公庁発注の管路工事で設計から施工までを一体的に担った実績、口径400ミリ以上の管路工事実績などを持つ法人か法人グループなど。参加申し込みは10月9日まで受け付ける。28日~10月28日に参加事業者と個別に意見交換を実施する。市場調査結果の概要は27年1月以降に公表する予定。









