話題の技術/ディグル「設備投資管理システム」/情報一元管理し即時可視化

2026年9月17日 技術・商品 [3面]

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 予算・実績管理のクラウドサービスを手掛けるディグル(東京都渋谷区、山本清貴代表取締役)の「設備投資管理システム」が、顧客の戦略的な経営判断を後押ししている。人・物・財務資源に関する情報をクラウドで一元管理し、一つの画面で設備投資の計画と期中の実績・見込みが把握できる。表計算ソフトでは難しかった、投資の最新の進捗状況を踏まえた将来の減価償却額やキャッシュフロー(CF)の可視化にも対応。今後2年以内に設備投資管理領域でトップシェアを目指す。
 設備投資管理システムは、主力サービスの経営管理プラットフォーム「Diggle」の新サービスとして1月に公表した。AI関連やデータセンターなどの設備投資が堅調に推移する中、設備投資に関する情報を一元管理し、最新の投資進捗や未消化予算を即時に可視化する。経営戦略に基づく計画的な予算配分や投資判断を後押しする狙いだ。
 単年度で完結しやすい損益管理に比べ、設備投資は複数年度にまたがるケースが多く、期末近くまで進捗を把握しにくい。こうした設備投資管理の特性にも対応する。
 従来の表計算ソフトを使った管理では、各部署が異なるフォーマットで作成した設備投資の計画案を手作業で収集・集計する必要があり、ミスを招く要因となっていた。投資の変更や遅延が起こった場合、損益計画書(P/L)や投資CFなどの経営指標とのつながりが分断され、経営への影響を把握しにくいという課題もあった。
 新サービスでは、表計算ソフトのような操作性で、必要に応じて設備を追加・編集し、投資の実行状況をリアルタイムで把握できる。業態や業種ごとに必要な項目をカスタマイズでき、汎用(はんよう)性も高い。予算権限を持つ担当者による利用を想定しており、当初の計画と実績に差額が生じた場合、その原因となった設備などの特定にも役立つ。
 設備投資管理責任者の本田大晟氏は、今後の顧客拡大先として建設業に期待を寄せる。「建築では、同時進行する複数案件の設備投資を正しく把握したいというニーズがある。土木では、一つの大きなプロジェクトの中で設備投資が細分化していく」と指摘。業態ごとの特性やニーズの違いに応じ、設備投資管理の方法をカスタマイズして対応する考えだ。
 新サービスは、設備投資が未決定の資産も管理できるため、投資予定の物件などが将来の減価償却費やCFに及ぼす影響を見通すことも可能だ。現時点では、ソフトウエア開発を受託している企業など、仮勘定が長期化しやすいビジネスモデルの顧客を中心に支持を得ている。
 本田氏は「進捗状況をタイムリーに表示したい、誰が判断したのかを編集履歴として管理したいという要望もある。既に一部の機能は開発・実装を進めている」と話す。
 日本政策投資銀行がまとめた「2026年度設備投資計画調査」によると、大企業の設備投資計画は前年度比19・7%増と、増加基調が続く。今後もAI・データセンター関連投資の拡大が見込まれるほか、送配電網や原子力発電関連、都市機能強化などへの投資も堅調に推移する見通し。建設業の設備投資も引き続き好調が見込まれる。
 同社は今後、数十~百社程度の新規顧客開拓を視野に入れ、シェア拡大を目指す。AIの活用も進め、予実差が出た際のコメント要約機能や、調達システムとの連携などへの活用を検討している。