鹿島/花博木造タワーの建て方着手/万博大屋根リング使用材を再利用

2026年9月15日 技術・商品 [3面]

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 鹿島は、横浜・上瀬谷地区で開かれる2027年国際園芸博覧会(花博)に出展する自社施設の本体建て方に着手した。木材と鋼製の制震ダンパーを組み合わせた自社開発の「組木制震システム」を採用し、会場のシンボルになる高さ約60メートルの木造タワー「KAJIMA TREE」を建設する。木材には大阪・関西万博の大屋根リングで使用されたストックを100%再利用。14日に現場を報道機関に公開し、最初となる柱の組み立て作業を始めた。
 27年3月19日~9月26日に開かれる花博の開催地は、15年に米軍から返還された横浜市旭、瀬谷両区にまたがる旧上瀬谷通信施設の跡地。同社は会場西側に広がる「Urban GX Village」エリアの一画(敷地面積約2804平方メートル)で、20階建ての建物に相当する高さ約60メートルの木造タワーを建てる。自社で設計と施工を手掛ける。工事は6月に着手し、お盆の期間に基礎を終えた。
 建て方は9段階に分けて進める。同日公開した1節目の建て方では高さ約8メートル、残りの8節は同約7メートルごとにそれぞれ2日間かけて組み立てる。全体で柱と梁を合わせて計約450本の構造部材を使う。10月末にも建て方の完了を予定する。
 木材は、大屋根リング解体後に搬出されたストックを加工工場へ運搬され、清掃・加工・研磨・制震ダンパー金物の取り付けなどの工程を経て、再び構造部材として使う。加工された柱や梁を組み合わせたユニットを事前に地組みし、効率的で精度の高い施工を実現する。
 基礎にも再生セメントを用いた環境配慮コンクリートを採用。花博閉幕後に解体しやすいよう、地中梁の再利用を目的とする分割施工で構築した。
 現場を指揮する同社の中山卓哉工事事務所長は、施工のポイントについて「いかにまっすぐ建てられるかだ。柱・梁を現場で組み立てると、ミリ単位の精度管理をしないと組木制震システムの成立が難しい。できる限り工場で地組みをすることで難題を克服している」と説明。さらに「接合部に使う接着剤の注入は天候にも左右される。今後も気をつけなければならない課題だ」と話した。
 設計を担当した原嶋宏樹建築設計本部木推進グループチーフは「当社が将来実現を目指す木造超高層のプロトタイプになればいい」と展望した。
 工事の全体完成は27年2月を予定する。